[ゆけむり通信 番外2012]

  • 2/3/2011
    『アンナ・カレーニナ』
    シアター・クリエ
  • 2/8/2011
    『ヒロイン~女たちよタフであれ!~
    博品館劇場
  • 2/10/2011
    『二月大歌舞伎 昼の部(彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち))』
    『二月大歌舞伎 夜の部(盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ))』
    大阪松竹座
  • 2/11/2011
    『二月大歌舞伎 夜の部(義経千本桜~木の実~すし屋/二人道成寺)』
    御園座
  • 2/14/2011
    『二月花形歌舞伎 第二部(女殺油地獄)』
    ル・テアトル銀座
  • 2/18/2011
    『ゾロ』
    日生劇場
  • 2/22/2011
    『ロング・ロスト・フレンド』
    本多劇場

2011年 2月観劇記

 シアター・クリエの『アンナ・カレーニナ』はダブル・キャスト主演の一路真輝版(もう 1人は瀬奈じゅん)。
 再演らしいが、知らなかった。原作はともかく、このミュージカル版について言えば、話はどうってことない。でも、鈴木裕美の演出は鮮やか。
 一路真輝は、復帰第 1作ってことだからだろうか、声の出がイマイチな気がした。春風ひとみも、もっと歌える気がしていたが……。遠野あすかのコメディエンヌぶりは悪くなかった。歌はおいといて、だが。男性陣は総じて安定していた。まあ、あんまり役者の話はしないことにしましょう(笑)。
 とにかく、東宝には、翻訳よりオリジナルに力を注いでいただきたい。これが最大の願い。

 博品館は、榊原郁恵、早見優、松本伊代、石野真子の出る『ヒロイン~女たちよタフであれ!~。正直、誰のファンでもなかったが、元アイドルが架空の元アイドルを演じるオリジナル・ミュージカル、というアイディアに惹かれて、いち早く予約した。
 これがけっこう面白かった。スタッフも、脚本・作詞/高橋知伽江、作詞・作曲/深沢桂子、演出・振付/川崎悦子、と女性陣で、芸能界の舞台裏というわけではなく、普通の女性としての様々な悩みが語られるという内容。まあ、設定にチョイ無理があったりとか、一幕もので短いとか、演技の練りが足りないとか、いろいろあるが、“オリジナル”であることの前には問題にならない。ぜひ、これからも作り続けていただきたい。

 大阪松竹座の『二月大歌舞伎』は、昼夜、仁左衛門の復讐もので、『彦山権現誓助剱』『盟三五大切』
 『毛谷村』の場が有名な前者の通しは非常に珍しいのだとか。でもって、今回は台本を整理してわかりやすくしたらしい。ともかく、京極内匠(愛之助)という徹底的な悪役と、六助(仁左衛門)という徹底的な善玉の対比が面白く、間に入るお園(孝太郎)という女豪傑のキャラクターも魅力的だった。
 後者は東京ではおなじみだが、大阪ではこれが初演なのだとか。愛之助は、こちらの三五役の方がハマっていた。しかし、仁左衛門は素晴らしい。

 初めて訪れた名古屋御園座の『二月大歌舞伎』は、安い席の取れなかった昼の部は回避して夜の部のみ。『義経千本桜』『木の実』から『すし屋』までと、『二人道成寺』
 『義経千本桜』は、團十郎のいがみの権太が(劇中で左團次に言われるごとく)小気味いい。この、権太の出てくる『木の実』から『すし屋』までは『義経千本桜』の中で完全に独立しているが、ここの、“実は実は”という連続どんでん返しの展開は、いつ観ても面白い。
 『二人道成寺』は福助と七之助。福助の充実ぶりがうかがえる。七之助も楽しみ。
 御園座は、規模が大きくない割に、上の方の席が舞台から遠いのが、やや難。花道はよく見えるが。

 ル・テアトル銀座は『二月花形歌舞伎』の第二部(夜の部)で『女殺油地獄』
 染五郎の河内屋与兵衛、ようございました。油まみれの殺しの場の後、捕らえられるまでを観たのは初めて。

 日生劇場は、ロンドン産『ゾロ』の翻訳上演。ジプシー・キングズの楽曲によるフラメンコ・ミュージカル、といったところ。
 主要人物の妙な心理描写がムリクリな感じで、脚本としては不出来な部類だと思うが(まあ、ロンドンものの水準はこの程度だが)、演奏がよかった。あと、マジックの手法を使った演出も楽しめた。
 ダブル・キャストの島田歌穂の回を観に行ったわけだが、主演の坂本昌行も善戦していた。ところで、大塚ちひろという人の演技がなかなかうまくならない気がするのは僕だけだろうか。あと、上條恒彦のセリフが(声は通るが意味のある言葉として)聴き取りづらくなってるような……。まあ、その辺は音響の問題もあるのかもしれないが。

 本多劇場は西荻の会『ロング・ロスト・フレンド』。ミュージカルではない。
 これが面白かった。いやあ、久し振りに、よく出来た脚本の舞台に出会った感じです。作・演出/G2。謎がいっぱいあって、それが全て解けていく快感。幕を開けて 1週間経っていなかったので、若干ぎこちなさも残っていたが、まあ問題なし。大いに笑った。
 出演は、伊藤四朗・角野卓造・佐藤B作・松金よね子・市川勇・あめくみちこ・窪塚俊介・岩佐真悠子。ちなみに、あめくみちこのセリフが中山千夏「あなたのこころに」の歌詞になるギャグ、僕以外笑ってなかった(笑)。

(9/17/2012)

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