[ゆけむり通信 番外 2002]

8/10 & 8/17/2002
『フォッシー FOSSE』

短くなった新ヴァージョン来日

 ※過去の『フォッシー』の観劇記は、 1 2 3 4 5、でお読みください。

 昨年に続き、今年の夏も『フォッシー』がやって来た。
 リーヴァ・ライス Riva Rice を中心にしたしっかりしたカンパニー、というのは昨年と同じ。ということで、出来については改めて報告することはないのだが、“ユーロ・ヴァージョン”と自ら謳っているように構成がかなり変わり、ナンバーの加減もある。

 変更点は以下の通り。
 黒字が今回のナンバーで、が付いているのは新たに加わったナンバー、★★は内容に大きな変更のあったナンバー。赤字が前回あって今回削られたナンバー。青字は移動したナンバーの前回の位置。
 なお、各ナンバーの細かい変更点は、構成の変更に伴い、いろいろあると思うが、チェックしきれません。ことに、「Dancing in the Dark」は以前から変更の多いナンバーで、記憶も曖昧。
 それから、全 3幕だった構成が幕間 20分の全 2幕になり、当然のことながら幕間の位置も変わった(青字で入っているのが、前回の区切り)。また、前回まであった [Part] の概念も今回から(プログラムを見る限りは)なくなっている。
 (※なお、前回までの変更の変遷はこちらで。)

 ―第 1幕―
 「Life is Just a Bowl of Cherries」
 「Fosse's World」
 「Bye Bye Blackbird」
 「From the Edge」
 「Percussion 4」
 「Big Spender」
 「Crunchy Granola Suite」
 Transition:「Hooray For Hollywood」
 「From This Moment On」
 Transition:(「Walking the Cat」)
 「I Wanna Be a Dancin' Man」

 ―第 2幕―
 Transition:(「Silky Thoughts」)
 「Cool Hand Luke」
 「The Mix」
 「Fosse-Niles(Dancing in the Dark)」
 「Steam Heat」

 ―第 2幕―
 「I Gotcha」
 「Rich Man's Frug」
 Transition:(「Silky Thoughts」)
 「Cool Hand Luke」

 Transition:「Big Noise From Winnetka」
 「Dancin' Dan(Me and My Shadow)」
 ―第 3幕―
 「Glory」
 「Manson Trio」

 Transition:「Divine Decadence」
 Transition:「Wilkommen」
 「Mein Herr」
 「Take Off With Us」★★(←「Take Off With Us―Three Pas De Deux」)
 Transition:「Bleed Through」
 「Razzle Dazzle」
 「Who's Sorry Now?」
 「There'll Be Some Changes Made」

 「Mr. Bojangles」
 「Life is Just a Bowl of Cherries」
 Finale:「Sing, Sing, Sing」

 ご覧の通り、つなぎのナンバー 2つを含めて 8ナンバーをカット。で、 4ナンバーが加わっているが、これらはつなぎのナンバーで、実際には 6ナンバーが減った計算。これまで「Take Off With Us―Three Pas De Deux」というタイトルで一部だけが演じられていた、映画『オール・ザット・ジャズ ALL THAT JAZZ』からのナンバー「Take Off With Us」が全貌を見せて長くなってはいるものの、休憩を入れて 2時間という上演時間は、当初たっぷり 3時間はあったことを思えば、かなりの短縮だ。
 もっとも、第 1幕最後に置かれた人気ナンバー「Steam Heat」の演者 3人を、 3曲前の「Cool Hand Luke」の終わりに登場させて、そのまま脇で踊らせて興味を引っ張ったり、第 2幕をパンチの効いた「I Gotcha」で始めて、以降、今回の目玉である「Take Off With Us」に到るまでを、比較的わかりやすいナンバーで綴ったり、と、うまくまとめてあるので、“もの足りない感”はあまりない。
 しかし、ずっと観続けてきた者としては、少し寂しい、という気持ちにはなる。ヴォードヴィルの香りとブロードウェイの華やかさとを併せ持ったナンバー「I Wanna Be a Dancin' Man」やなんかがなくなったということもあるが、それ以上に、旧第 3幕の後半に「Mr. Bojangles」を呼び出すために並んでいた 2曲の『オール・ザット・ジャズ』ナンバー、「Who's Sorry Now?」「There'll Be Some Changes Made」がカットされて、ボブ・フォッシー Bob Fosse 愛惜の色合いが薄くなったからだ(詳しくはこちらを)。
 けれども、そうした繊細とも言える空気を生むことを幾分あきらめ、むしろ小気味いい見せ場の連続として見せていこうという割り切りが、すでにブロードウェイ公演という帰るべき家を失ったツアー・カンパニーには必要なのかもしれない。

 繰り返すが、今年の『フォッシー』来日公演、うまくまとまった楽しめる舞台だ。“去年を超えた”、とは思わないが。

(8/11/2002)

Copyright ©2002 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro

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