それゲキ・アンケート篇


第 11回
“最近の”映画ミュージカルについて

 MBW(Misoppa's Band Wagon)開設 8周年記念アンケート“最近の”映画ミュージカルについてへのご回答ありがとうございました。
 アンケートの内容は以下の通りです。

 [質問 1] 1997年以降にリヴァイヴァルではない映画ミュージカルをご覧になりましたか?
 →「観ていない」方は [質問 2] へ。「観た」方は [質問 3] へ。

 [質問 2] 観ていない理由は何ですか? 出来るだけ具体的にお答えください。

 [質問 3] ご覧になった映画ミュージカルの中から気になる何本か(5本以内)について、ご感想・ご意見をお聞かせください。

 今回のご回答は 4人の方からいただきました。ありがとうございました。お答えいただいた方が少なかったのは、質問があまりにも漠然としていたせいでしょう。反省しています。
 発表の並びは到着順です。いつも通り、ミュージカル・タイトルや人名などの若干の表記の統一(原語表記追加を含む)と若干の改行をさせていただいた他は、基本的に、いただいたメールのままです(作品タイトルの正確な表記に関してはチェックしきれていません。お気づきの点はご指摘いただければ幸いです)。
 なお、 NANAさんはご出産直後で PCに向かう時間がなかったため、すどやんさんは PCそのものが故障したため、携帯からのご送信となり、文章が短めになっています。お 2人とも大変な中、ありがとうございました。もちろん、アキさんとマクウチさんにも感謝です。

* * * * * * * * * *

 ●NANAさんの場合。

 [質問 1]

 yes。

 [質問 3]

 極々最近の作品は諸般の事情により見ていません。少し古い作品で思い出せるのだけ挙げてみました。

 『カタクリ家の幸福』
 「良くも悪くも役者の個性に乗っかった部分がある。それだけに頼っている訳ではないが、パーソナルを知っていれば更に楽しめる作品」だと思います。故に海外受けはしないでしょうが、日本人の私はたっぷり堪能しました。

 『シカゴ CHICAGO』
 かつてのミュージカル映画といえばクロスビー Bing Crosby の歌やアステア Fred Astaire のダンスなど、スターと、その技術を見るためのものという時代がありました(かなり乱暴な言い方ですが)。
 しかし、『シカゴ』のロブ・マーシャル Rob Mershall 監督にとってこの映画の主役は、レニー・ゼルウィガー Renee Zellweger でもキャサリン・ゼタ・ジョーンズ Catherine Zeta-Jones でもリチャード・ギア Richard Gere でもない。無論彼らの歌やダンスでもない。監督が撮りたかったのはフォッシーが創り上げた『シカゴ』という名の世界だったと思いました。だからこそミュージカルナンバーの映像が細かく切って構成されているのだと思います。
 かつてのようなミュージカル映画スターが存在しない昨今ならではの、パーソナルの技術だけに頼らない(頼れない)新しい「ミュージカル映画の創り方」だと思いました。

 ケータイ故の短文乱文失礼をば。

 ●アキさんの場合。

 [質問 1]

 はい、観ました。

 [質問 3]

 映画ミュージカルの範疇に入らないものが紛れ込んでるかもしれませんがご容赦ください。
 該当期間で私が観た作品を列挙すると;
 『世界中がアイ・ラヴ・ユー EVERYONE SAYS I LOVE YOU』『ムーラン・ルージュ MOULIN ROUGE』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ HEDWIG AND THE ANGRY INCH』『8人の女たち 8 Femmes』『シカゴ』『五線譜のラブレター DE-LOVELY』『オペラ座の怪人 THE PHANTOM OF THE OPERA』『ビヨンドtheシー〜夢見るように歌えば BEYOND THE SEA』の 9本です。
 特に<気になる> 3本を順不同で挙げると、次の 3本になります。

 @『ムーラン・ルージュ』(バズ・ラーマン Baz Luhrmann 監督)
 A『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(ラース・フォン・トリアー Lars Von Trier 監督)
 B『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』(ジョン・キャメロン・ミッチェル John Cameron Mitchell 監督)

 @は、同監督の『ロミオ+ジュリエット Romeo+Juliet』を観た時、これはシェイクスピアの映画化ではなくて、『ウエスト・サイド物語 WEST SIDE STORY』の舞台をニューヨークからフロリダへ移したものだなと感じました。ですから、歌いはしませんがミュージカル的雰囲気を感じさせる演出は、この作品から既にあったと思います。
 ストーリーは単純ですが、タカラヅカもビックリの黒燕尾紳士たちと、カンカンのダンサーたちが入り乱れる群舞場面へ、ニコール・キッドマン Nicole Kidman が空中ブランコに乗って、「Diamonds Are A Girl's Best Friend」を歌いながらの登場は、最初からワクワクさせられました。
 愛を歌った名曲の数々が巧く使われていて楽しいかったです。

 Aは、これ以上悲惨なお話はないというほど暗い映画です。
 ビョーク Bjork 演じるヒロインの心の支えはミュージカル。彼女の幻想ないし妄想の場面がミュージカル・シーンとなっているのが、映画化された『シカゴ』に似ています。
 @でも使用された「The Sound of Music」がここでも使われていて、救いの無いヒロインの人生に一筋の光を投げかけていて、そのギャップの大きさに心が痛みました。

 Bは、 3本の中では唯一舞台(オフ・ブロードウェイ)からの映画化です。これも暗めの映画でした(笑)。
 『シカゴ』『オペラ座の怪人』等の人気映画を差し置いてこの映画を選んだのは、オリジナル舞台を観ていないからに他なりません。ブロードウェイのヒット作2本も決して悪くはありませんでしたが、オリジナル舞台を観た後では、どうしても見劣りがしてしまいます。
 その点、『ヘドウィグ…』はその落し穴に落ちることはありませんでした。想像するに、単なるロック・コンサーになりかねない主観的な一人舞台ミュージカルを、映画化することで客観的に厚みを持たせたことが良かったと思います。ジョン・キャメロン・ミッチェル(舞台も同じ)の鬼気迫る熱演に拍手したいと思います。

 考えてみれば、@も死の匂いが立ち込めた映画ですから、 3本ともミュージカルらしいハッピー・エンディングはありません。こんな 3本を選んだ僕ってネがクライのかなぁ?
 他の 6本も大好きですが、ミソッパさんの質問文中の<気になる>に拘って選ぶと、こうなってしまいました。悪しからず。

 ●マクウチさんの場合。

 [質問 1]

 見ました。数は少ないですが。

 [質問 3]

 一番好きなのは『ムーラン・ルージュ』。新しい作品なのに、つくりはかなり古風だと感じました。主役の二人の歌は、器楽的にはそこそこだけど説得力はあって。
 あまり好きではないのが『シカゴ』。ロブ・マーシャルの振り付けはエレガンスが欠けているような気がして元々キライな上に、歌の世界と現実の世界をパックリ分けたのはミュージカルとして“逃げ”なんじゃないの? と思った次第。
 あ、あと『アナスタシア ANASTASIA』は曲がすごく好みです。

 映画ではありませんが(※ミソッパ注/以下の作品は TVドラマ)、『アリーmyLove ALLY McBEAL』はたまにミュージカル的炸裂(感情の爆発が歌や踊りになる)があるので見ていてワクワクすることがあります。
 『オズ OZ』は刑務所を舞台にしたドラマだけれどベティ・バックリー Betty Buckley とパティ・ルポン Patti LuPone が同時に出ていて(バックリーはたまに歌う)、ネットリおばさん系ミュージカルスターが好きなぼくとしては見逃せません。

 ●すどやんさんの場合。

 [質問 1]

 『シカゴ』『オペラ座の怪人』の 2本をロードショー公開中に鑑賞(『五線譜のラブレター』が自分の住む地域で未公開だったのと『オペレッタ狸御殿』を公開中に観られなかったのが残念)。

 [質問 3]

 『シカゴ』は、元の舞台を観ていない事もあり、主演俳優達の演技やダンス、歌を普通に楽しめた。
 『オペラ座の怪人』は、一箇所、映像ならではの工夫された視点に関心したので、個人的には合格点。

 えーと、挙げていただいた作品の中で、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』『8人の女たち』、それに TVドラマ『オズ』は観ていません。それと、すどやんさん同様『オペレッタ狸御殿』は観逃しています(そう言えば、 NANAさんは『8人の女たち』をご覧になっていたと記憶しますが、必ずしもミュージカル映画ではないので挙げられなかったのでしょう)。以上の作品を、遅ればせながらでも(DVDで)観なければ、という宿題をいただいただけで、このアンケートの意味が個人的にはありました(笑)。
 アキさんとは逆に、半分眠りながらも(笑)僕は『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』の舞台を観ていますので、映画版を観たあかつきには、感想をお伝えしたいと思います。
 ともあれ、みなさんが触れている『シカゴ』の評価が、かなり否定的なマクウチさんを除いたとしても、必ずしも絶賛ではないあたりに、ミュージカル・ファンにとっての“最近の”映画ミュージカルの“イマイチ”な感じが表れている気がしたのですが、いかがでしょうか。

 ご回答くださったみなさん、ホントにありがとうございました。次回は、もう少し回答しやすい質問を考えますね(笑)。

(7/10/2005)


 NANAさんから、下記の追記が掲示板経由で送られてきました。

 因みに、『ムーラン・ルージュ』は感想を、『8人の女たち』『恋の骨折り損』は見たことそのものを忘れていました(^^;)。
 極限状態に身を置いていた故、お許し下さいませ>この 3本をお好きな方。

(7/11/2005)

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