それゲキ・アンケート篇

第 5回

“むじミュジ”ヴィデオ & レコード

(前編)

 “むじミュジ”アンケートへのご回答ありがとうございました。
 アンケートの内容は以下の通りです。

 [質問 1] 無人島に 1つだけミュージカル関係のヴィデオ(テープに限らず)を持っていくとしたら?

 “ミュージカル関係”というのは、完成している映画ミュージカルから、舞台ミュージカルの録画、映画&舞台ミュージカル絡みのドキュメンタリー(製作の舞台裏、スターや作曲家などの伝記的なもの、オリジナル・キャスト・アルバムの録音風景、などなど)まで、ま、何でも OK、エニシング・ゴーズ。ただし、海賊版、隠し撮り等は不可。

 [質問 2] 無人島に 1つだけミュージカル関係のレコード(CDに限らず)を持っていくとしたら?

 “ミュージカル関係”というのは、映画ミュージカルのサウンドトラック、舞台ミュージカルのオリジナル・キャスト盤から、映画あるいは舞台ミュージカルに出演経験のある人の歌(ただし、最低 1曲はミュージカルの楽曲が含まれること)、ミュージカル出演経験のない人の歌ったミュージカル楽曲集まで OK。こちらも、海賊版、隠し録り等は不可。

 16人の方からご回答をいただきました。ありがとうございました。
 今回はプレゼントって特に考えてなかったんですが、ブロードウェイで撮った写真を絵ハガキにしたものを(ほしくないかもしれないけど)お送りしようと思います。どうかご笑納ください(笑)。

 例によって、ミュージカル・タイトルの表記を統一(映画は原則として公開時のもの)、人名をカタカナ表記にし、読みやすく改行させていただいた他は、基本的にいただいたメールのままです(ヴィデオやレコードのタイトルは確認しきれないので、ミュージカル・タイトルでないものはそのままにしました)。
 掲載は到着順。容量が大きくなったので、前後編に分けました。

 ●KJさんの場合。

 [質問 1 & 2]

 ドキドキするアンケートですよね。ビデオが 1本、CDが 1枚だけなんて。でもそ の無人島、ビデオデッキもCDプレーヤーも持っていけるんですよね。で、ソフトだけ、なんで 1つずつ。なんで、なんで?
 じゃあ、ミュージカル関連の書籍も 1冊? 劇場で買ったパンフレットも 1冊? 記念にとってあるチケットも 1枚だけしか持っていけないの?
 そのときの状況を考えると、悲しさを通り過ぎて、思考能力が停止してしまいそ うになる。
 エセル・マーマンが『アニーよ銃をとれ!』を歌うニューヨークで買ったビデオ。ロンドンで買って友人に全世界対応のビデオデッキで変換してもらった A. L. ウェバーのビデオ。毎年録画している「トニー賞」。 WOWOWでエアチェックした『ウィル・ロジャース・フォリーズ』。ミュージカル映画のLD……。すべてが宝物だ。これが CD、レコードとなったら、選んでいるあいだに発狂するだろう。どれか 1つなんて、考えられない。持っていかないソフトに申しわけないし。
 僕の結論!
 「無人島には、ビデオも、CDも、持って行きません!!」
 無人島に出発する前に、すべてのビデオを見て、すべての CDを聴いて、頭に叩き込む。すべての書籍を読み、パンフレットの舞台写真、チケットを目に焼き付ける。そして、ミュージカル関連のものすべてを供養をして、出発する。
 無人島では、ミュージカルの思い出だけで暮らす。そのほうが、どれか 1つだけ持って行くより、幸福になれるような気がする。
(アンケートの主旨とは違いますが、僕にはこれしか考えられない)

 いきなりの変化球ですが、もちろん OK。でも、供養しちゃうと、万が一戻ることが出来た時に後悔しませんか、 KJさん? ですから、僕が預かりますよ、ミュージカル関連グッズ(笑)。

 ●Arisaさんの場合。

 [質問 1]

 これがミュージカル映画になるのかどうかは分からないのですけど。私なら,無人島に『メリー・ポピンズ』を持って行きます。
 小学校で初めてこのジュリー・アンドリュースの映画を見て、すごく感動したのを覚えてます。色んな可能性を秘めてるメリー・ポピンズに子供達がどんどん引き込まれていくように、私もわくわくしていつも見てました。映画の中の歌にも勇気付けられると言うか、気持ちが優しくなれるものがあって、私は大好きです。

 [質問 2]

 『レント』です。「Seasons Of Love」を聞くと懐かしいものを思い出すけれど、新しい事にも期待が持てる気がします。

 『メリー・ポピンズ』 2票の内の 1票。無人島では『サウンド・オブ・ミュージック』じゃなくて『メリー・ポピンズ』なんですねえ、 Arisaさん。
 でもって、『レント』も 2票の内の 1票。 2枚組だし、いいかも。

 ●森さゆ里さんの場合。

 [質問 1]

 『雨に唄えば』
 私はコレでミュージカルはじめました=ってヤツなもんで。

 [質問 2]

 『グランド・ホテル』
 オリジナルでも宝塚盤でも OK。
 宝塚盤は、まだ私が宝塚を知る前に公演しちゃったので CDでしか聴いてません。ブロードウェイ盤は(オリジナルキャストじゃないので、正しくないかな)来日公演を観た。まだ大学生の頃だ。
 イスにやられた。

 森さんは、文学座で演出の道を歩んでる方。ですから、 [イスにやられた] ってのは、小道具としてのイスの使い方に感心した、という意味でしょう。
 『雨に唄えば』にも 2票入ってます。
 僕は『グランド・ホテル』で宝塚始めました(笑)。新装なったばかりの、震災前の大劇場でした。

 ●かなかなさんの場合。

 [質問 1]

 『メリー・ポピンズ』
 このビデオを買ったのが確か 10年くらい前です。当時、ジュリー・アンドリュースの歌声にはもちろん、英語の発音の美しさにも感動しました。
 無人島で毎日、(救助の舟が外国船でもいいように)ジュリーのクイーンズイングリッシュを聞きながら英語の勉強をしたいと思います。

 [質問 2]

 『君はいい人、チャーリー・ブラウン』
 一緒に楽しく歌えるので、無人島での生活にはもってこいでしょう。月曜はスヌーピー、火曜はサリーと毎日パートを変えて歌うのもいいかも(でもって、日曜は休演日。登場人物が 6人なので)。

 救助される時のために英語を学ぶ。前向きな、かなかなさんを見習いたい(笑)。そう言えば、あの作品には長い長い単語の歌も出てきましたね。

 ●NANAさんの場合。

 [質問 1]

 私の場合、舞台よりも映画の方を沢山見ているので、好きな映画も山ほどありま す。だから本当は、そこら辺をおいしいとこ取りした『ザッツ・エンタテインメント』シリーズって言いたいところですが、それじゃつまらないので敢えて外して……。
 無人島で何度でも繰り返し見る、という設定の質問ですから、過去に自分が 1番繰り返し見た映画ビデオを挙げます。
 『ボーイフレンド』。 1971年イギリス/ MGM作品。
 なお私が所有しているのはエアチェック・ビデオです。今ビデオは売られているか知りませんが、 10年くらい前にはレンタル屋で見かけた事あります。
 本来『ボーイフレンド』はロンドン産のミュージカルで、ジュリー・アンドリュースが初主演した舞台としても知られてますけど、この映画はその舞台を劇中劇に配し、ケン・ラッセル監督によるミュージカル映画へのオマージュ的な作りになってます。だからアステア=ロジャースあり、バスビー・バークレイあり、『空中レビュー時代』あり、『雨に唄えば』あり、無声映画っぽいのありぃと、多角面的に楽しめました。
 一時期、ビデオを見ては途中で寝てしまい、また次の日最後まで見ようと頑張るがまた寝てしまい……を毎晩繰り返していました。こってりとダンスシーンが入っているので、飽きることなく毎日見れたし、また、 2時間ちょっとなのに長く感じて&仕事に疲れて寝てしまうんです(笑)
 「飽きずに見れる」、これって暇を弄ぶ無人島には 1番重要かも(笑)。

 [質問 2]

 CDは逆にあんまり持っていないし、拘りがないので、逆の意味で選ぶのが難しい です(笑)。けど、映画の方で『ボーイフレンド』を挙げたので、それ繋がりでこちらでは『マイ・ワン・アンド・オンリー』にします(型番はよく判らないのですけど……ATLANTIC 80110-2かな?)。
 『ボーイフレンド』にはまった私は、それに出てたツゥイギーとトミー・チューンが主演した舞台に興味を持ち、探して見つけたのがこの CDでした。
 舞台のことは何も知らずに買ったのですが、聞いてみると全篇ガーシュインで、これ 1枚で『パリの恋人』『クレイジー・フォー・ユー』を彷彿とさせるし、意外と主演 2人の声も良いし、おまけにタップの音も沢山入っているしで、やっぱり暫く飽きることなく聞ける 1枚だと思います。

 途中で眠ってしまうヴィデオってのは手かもしれませんね。起きてても退屈だろうから、無人島は。
 しかし、映画『ボーイフレンド』と舞台『マイ・ワン・アンド・オンリー』の出演者がダブるのって、 NANAさんの指摘を読むまで意識してませんでした。

 ●マクウチさんの場合。

 [質問 1]

 迷いますよねえ。一瞬『カバーガール』! と答えてしまいそうですがぐっとガマンして、何回も何回も見続けるのであればやはり『サウンド・オブ・ミュージック』でしょう。
 僕にとって、ミュージカル映画というジャンルを超えて映画の中でもナンバーワン。あの映画は幼い僕に“良心”というものを教えてくれました。あと、“正義”も。だから、とても大切な映画です。
 ジュリーの演技はところどころわざとらしいし、つなぎもちょっと変なところがあるけれど、でも大切。自分の人格形成に関わった映画だから、死に場所までもって行きます。
 あ、でも、無人島って死に場所じゃあないのか。

 [質問 2]

 これは迷いません。
 エラ・フィッツジェラルドのヴァーヴ盤『コール・ポーター・ソングブック』。  ルール違反? でもほぼすべてがミュージカルの曲だから、いいですよね。エラは僕の永遠のアイドル。彼女のように歌えるのなら、いますぐ死んで生まれ変わりたいぐらい。そのエラが軽々と、飄々と、少しドライブして、コール・ポーターの曲を歌いとばしていくこのアルバム。最後の曲が「Don't Fence Me In」ってのも無人島っぽくていい感じじゃないでしょうか。
 どうしてもミュージカル CDというのであればエセル・マーマンのオリジナル・ブロードウェイ・キャスト・バージョンの『ジプシー』。  ミュージカルはベット・ミドラーの TV映画版しか見たことないのですが、もうー、すべての曲が好き。捨てる曲、 1曲もない。前奏曲もロマンティックでステキ。そういえばちょっと前にバーナデット・ピータースがロンドンで上演計画中というニュースをプレイビル・オンラインで見たけれど本当かな。

 ぶっちゃけた話をしてしまえば無人島、行けと言われても行きません。たとえその島をくれると言われても。無人島で過ごす時間があったらニューヨーク行きたいもの。
 それにどうしても無人島に行くことがあれば音楽やビデオは持っていかないな。きっと本を持っていきます。「大菩薩峠」とか。プルーストでもいいかも。そのほうが長く楽しめそう。
 アンケートぶちこわすようなこと書いちゃってすみません。

 「バピもは」のマクウチさんですが(笑)、『アニーよ銃をとれ!』じゃないんですね、同じエセル・マーマンでも(笑)。
 ともあれ、質問を読んでいただければわかるように、エラ・フィッツジェラルドで全然 OKです。僕も彼女のソングブック・シリーズはよく聴きました。

 ●あやのしんさんの場合。

 [質問 1]

 ジャック・デミ『ロシュフォールの恋人たち』。  アンケートを書こうと数日間モクモクと想像を膨らましてみたけれどなかなか現実として浮かばなかった、無人島生活。「う〜ん」と天井を見上げながら背伸びしたら、目の前のポスターに目が留まった。それはフランス土産に友人がくれた『ロシュフォールの恋人たち』のポスター。これがいいや!
 そう、無人島に行くぐらいなのだから、世捨て人当然なわけで、大橋巨泉の「オレ主義」ではないけど、私も「大人にならなくては……」などと考えずに、「オレ主義」な日々を送る。そんな私が向かう無人島は、インドネシア辺りのちっちゃい小島でなくてはならず、しかし私は寂しがり屋なので、きっとその頃一番気のあう恋人と一緒に行くはず。気だるくなるようなヌルイ風が吹くなかで愛する恋人と観るのなら、やっぱりいいカンジでユルユル感のあるこの映画かな? と。
 淡々と踊りつづける、歌いつづける彼らをただ見つめているだけで、いまだに「人間関係」に縛られている私でも、人生なんて、人にどう思われようがどうでもよくなってきそうだから(笑)。
 美人姉妹の、目の覚めるような色使いのコスチュームも素敵だし、音楽も「映像有り」ならば楽しくていい。だけど、何度も観ていたら、楽器が欲しくなりそうだなぁ。だから今度は島にある植物や貝殻を使って楽器を作り、恋人と毎日踊り、歌い、楽器を奏でる日々をおくる…素晴らしいわぁ。
 問題は私の虫嫌いぐらいでしょうか。島にはいっぱいいそうな気配なので(笑)。

 『ロシュフォールの恋人たち』は、ほとんど予備知識ないまま映画館で観たので、ジーン・ケリーが出てきた時にはビックリしました。
 それはともかく、あやのしんさん、無人島に自分以外に人がいちゃあ無人島じゃなくなるんですけど(笑)。

 ●tefuruさんの場合。

 [質問 1]

 『スウィーニー・トッド』。もちろん、アンジェラ・ランズベリー、ジョージ・ハーン主演の舞台中継版。
 理由? この版ほど完全に舞台中継しているのは滅多にないから。
 自称「ソンドハイム・ファン」なんです。『Hey! Mr. Producer』とか『Sondheim A CELEBRATION AT CARNEGIE HALL』とか何度も繰り返し見てて候補に挙がるビデオはたくさんあったのですが、泣く泣くこれにしました。
 「ミュージカル映画」という分野がありますが、僕が無人島に持っていきたいと思うほどの映画作品はなぜかないですね。

 [質問 2]

 『リトル・ナイト・ミュージック』 '95の N.T.版。ジュディ・デンチが主演の盤です。
 初演のオリジナル盤も良いのですが、こちらの方が収録曲が多い(笑)。
 いやいや実は、最後の「Send in the Clowns(reprise)」でフレドリックとデジレの会話が入っている、というのが大きな理由。ここの会話がたまらなく好きなんですよ。
 その意味では、「Send in the Clowns」は『Hey! Mr. Producer』のヴァージョンの方が好きですが、(フレドリックの台詞が入る)、これも「完全盤」である事を優先しました。

 今回の企画の趣旨を「いつまで聴いても(見ても)飽きない物」と解釈して選びました。数少ない僕のコレクションの中で、何故か手にする回数が一番多いのがソンドハイム。特に「ソンドハイム崇拝者」ではないのですが、手にする回数からしてやはりこの人かな? 何回聴いてもその都度新しい発見がある、と思ってます。自分の頭の中で空想の舞台を巡らせるのに、いろんな可能性が考えられてたぶん飽きないでしょう。だって「これ1枚!」しか持っていけないのだから、飽きちゃうような代物ではマズい。
 singer で選んでも良かったのですが、「1枚」となると、やはり難あり。同じくオムニバス物も選曲等でケチがついちゃうので、外れてしまいました。
 しかし、今回のアンケート用にと棚を見てて驚いたのがこの 1年間で聴いた事もましてや、触った事すらも無いような CD、ビデオがなんとたくさんある事! 買って 1回しか聴いてないのが意外とあるんだな、と再発見。
 「あぁ、もったいない!」自分の見分を広げる為にも積極的に聴く努力をしよ!っと。

 余談ですが、『マイ・フェイヴァリット・ブロードウェイ』をビデオで見ました(DVDを持ってないので、取り寄せるのに時間がかかりましたが)。
 思っていたより内容の濃いものでしたが、それはこのコンサート(そう呼んで良いのでしょうか?)自体がバラエティに富んでいたからでしょう。ミソッパさんの観劇記を読みますと、 CDもビデオも唄われた順番と収録されている順番がバラバラで、今一つ臨場感に欠けますが、その不満を吹き飛ばすだけの素晴らしいものがあります。
 何といっても一番に素晴らしいのは オードラ・マクドナルド、マリン・マッズィー 、ジュディ・クーンの 3人による「ロイド・ウェッバー 3部作」! そして、何といっても我らがオードラの歌の素晴らしさ! 惚れ惚れしてしまいます。歌い踊ってくれたのはビビ・ニューワース、カレン・ジエンバの 2人だけですが、中でもカレン・ジエンバの素晴らしい事。「I Want to Be a Rockette」カレン・ジエンバ with ロケッツは思わず拍手!(余談の割には、長すぎるぞ!)

 『マイ・フェイヴァリット・ブロードウェイ』のヴィデオは、ホントにいいです。(シャレじゃなく) [MY FAVORITES] で採り上げようと思ってたんですが、 tefuruさんの“余談”のせいで、おじゃんになりました(笑)。
 ところで、ソンダイム作品の舞台のヴィデオは、他に『ジョージの恋人 SUNDAY IN THE PARK WITH GEORGE』『森の中へ INTO THE WOODS』が出てます。しばらく見かけませんでしたが、ゴールデン・ウィークのニューヨークに大量に出回ってました。

後編に続く。

(6/7/2000)

Copyright ©2000 Masahiro‘Misoppa’Mizuguchi

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