それぞれの人生それぞれのゲキもは!

ジェシカさんの場合

 京都のジェシカさんから、『キャッツ CATS』『レ・ミゼラブル LES MISERABLES』のための母娘ロンドン 2人旅報告が届きました。ちょうど僕と入れ替わりのような日程ですね。
 ミュージカル初体験から 6年。じわじわハマッてらっしゃるようで(笑)、いい感じです。

 9月 5日関空出発、 10日に帰国、という私にとっては不満な短いスケジュールでしたが、「ミュージカル観劇」メインのロンドン行きをして参りました。さらに、 1人旅の好きな私ですが、予算の都合上、母の通訳をすれば金を出してやる、との言葉につられ、初めての母との旅行でした。

 私のミュージカル初体験は、 6年前のブロードウェイでの『レ・ミゼラブル』
 どうせミュージカルなんて、日本で日本語で上演されるのと同じで、観てる方が恥ずかしくなるようなもんだ、と期待せずにいたのですが、ストーリーがいまいちわからなかったにもかかわらず、体がふるえるほど感動したのを覚えています。
 それでも、別にミュージカル・ファンになったわけではなかったのですが、しばらく後に NHK で放映したウェストエンドにおける『レ・ミゼラブル』の 10周年コンサートの模様を観たら、感動がよみがえり、そのビデオを繰り返し観て、ようやくストーリーを理解し、 2年前に『レ・ミゼラブル』を見るためだけにロンドンに初めて行きました。チケットの取り方などもよくわかっていなかったのに(売り切れの心配などしてもいませんでした)、ボックスオフィスで見事に前から 4列目の席を手に入れました。
 「地球の歩き方」などには、当日券として学生専用に半額チケットが出る、と書いてあったのですが、私は翌日のチケットを買いに行ったのに、ボックスオフィスのおじさんが、「学生だろ?」と訊いてくれました。
 「はい、でも ID 持ってないんで証明できませんけど……」
 「そんなのあんたの顔を見たらわかる。学生なら 12.5ポンドでここの席があるよ。いい席だよ」
 そう言って売ってくれたのがストール(ミソッパ注/ 1階席。アメリカで言うオーケストラ席)の 4列目の席だったのです。
 もちろん、舞台そのものも素晴らしく、隣の席のオーストラリアから来た『レ・ミゼラブル』ファンだというおじいさんと話がはずみ、初めてのロンドンで良い思いをしました。
 それでもなお、『レ・ミゼラブル』のみのファンであったのですが、 WOWOW での『キャッツ』の放映を「とりあえず」録って観てみたら、「結構いいじゃない」。じゃあもう 1回観るか、という気持ちになり、「なんて楽しくて素敵なんだ!」と思い始めたころにはすでにビデオが伸び始めてました。そうこうしているうちに、ブロードウェイで『キャッツ』が閉幕、とのニュースが流れ、俄然心配になってきたのです。『キャッツ』に目覚めたのが遅すぎる私は一生舞台を見られないのだろうか!
 数日間胸がドキドキした上で出した結論が、「今年の夏休みはウェストエンドだ!」でした。そして、なんとか 4日間ロンドンに滞在することが出来たわけです。

 当初の予定では『キャッツ』『レ・ミゼラブル』を 1回ずつ観る予定で、ロンドンに着いた翌日、朝一番に両方のボックスオフィスに行って、それぞれのチケットを(母の分も)買いました。
 で、いよいよ初『キャッツ』
 ストールの少し後ろのほうでしたが、舞台全体を観わたせる素晴らしい席でした。しかし、隣の母は寝てます。まあ、そんな人はほっておけばいいのですが、こちらも少し眠いのと興奮しすぎたのとで、きょろきょろしながら観てしまい(ビデオを観すぎたせいで、ピンポイントの観方以外はどうしたらいいかわからなかった)、心から感動したものの、観落とした部分もあったような、消化不良の観劇でした。
 翌日、『レ・ミゼラブル』
 前回の席が良すぎただけに、比較すると今回は後ろの方でやや不満でしたが、それでも上席。ただし、パレス劇場って古いだけあって(?)列と列の間にあまり段差がないのですね。私は身長 154センチなので、前にでっかい紅毛碧眼のおじさんに座られてしまって、かなり首を動かさなければ観ることが出来なかったのが残念でした。更に悪いことに、母も同様に観えなかったらしく、やたらと「はーっ、観えないわ!」とかため息つくし、ちょうど心を揺さぶられるアリアの時にかぎって「もうー!」とか言うし、なんだか座席を決めた私が悪いみたいで集中出来ませんでした。それでも舞台は非常に良かったようで(私には実感出来る余裕はなかった)、フィナーレでは観客が総立ちでした。
 というわけで、目的の 2つの舞台は観たものの、いまいち堪能できなかったので、翌日、日本語ガイドつきのツアーに母を放りこみ、再び夜の『キャッツ』と、ストーリーは知らないけど確か昨年のトニー賞の時にパフォーマンスやってたし、多分ダンスがメインだろう、という単純な理由で、『フォッシー FOSSE』の昼公演を観ることにしました。
 しかし、『フォッシー』の劇場に行ってびっくり! 観客の 99パーセントがジジババなのです! 隣のおばちゃんなんかは、「早く『sing! sing! sing!(swing! swing! swing!でしたっけ?)』(ミソッパ注/正確には「Sing, Sing, Sing」)が聴きたいわ」とか言いながら歌い出すし、なんか場違いなところに来ちゃったナーという感じでした。が、さすがに舞台は素晴らしく、「これ人間?」と思うくらいのダンスの数々。そして、 Nicola Hughes とかいう人が、売り出し中の新人なのか有名なベテランなのかはわかりませんが舞台の上でとっても VIPな扱いで、そういう人を観れたのがなんだかお得な気がし、満足でした。
 夜は 2度目の『キャッツ』
 今度もストールですが、舞台から 5列目の席。猫ちゃんたちが前を通る通る! 隅から隅まで楽しめましたが、スポットライトを浴びてる猫以外の猫の動きも素晴らしく、やはりキョロキョロしてしまいました。
 実は、ウェストエンドの予習のつもりで、 8月に名古屋まで四季の『キャッツ』を見に行ったのですが、その時はそこそこかなと思ったものの、四季の猫ちゃんたちはスポットを浴びてない時には人間に戻っちゃうことが多いような気がしてました(時にはスポットを浴びてる時も)。しかし、ウェストエンドの猫ちゃんたちは一瞬たりとも気を抜かない。初めから終わりまで猫でいたので、どうしても一点に集中できなかったのです。要は興奮したまま観てたからなんでしょうが……。
 落ち着いて全体を観わたせるようになるためには、あと最低でも 10回くらい観なければいけないのでは? と思っています。しかし、客の入りは 2回とも 8割程度のような気がしました。これって、十分にペイするくらいの客の入りなのでしょうか? こっちはまさか閉幕しませんよねえ?

 そして一つの悲劇。
 伸びてしまったビデオの代わりを買って帰ろうと思ってドレス・サークルに行き、目当ての『キャッツ』のビデオと一緒に、日本ではお目にかかれない Michael Ball の CD を買ってご満悦でした。しかーし、 CD は問題なかったのですが……。
 ビデオって、ヨーロッパと日本では再生方式が違うんですね。 DVD はそうだと知っていましたが、 USA でビデオを買うことも多く、なんのトラブルも経験したことなかったので、まさかビデオにそんな規格があるとは知りませんでした。
 ドレス・サークルにメールで問い合わせてみたのですが、早速丁寧なお返事が来て、「不可能です」とのこと。「逆に、うちらも日本やアメリカのビデオが見れなくて困るんだよねー」というフレンドリーな答えには好感を持ってしまいましたが。
 結局現在、Amazon.com に注文中です。

 ジェシカさんがヴィデオやなんかを買われたドレス・サークルは、こちらに写真を載っけたミュージカルのギフト・ショップです。
 ところで、今さら遅いかもしれませんが、『キャッツ』のヴィデオは日本でも売っているようですよ。あと、秋葉原などでは方式の違うヴィデオの変換ダビングをやってくれる店がありますから、例えば大阪の日本橋などでもイケるんじゃないでしょうか。
 ともあれ、次はヴィデオ方式の心配のないブロードウェイ再訪を、ぜひ。

 ジェシカさん、ありがとうございました。

(10/2/2000)

 [追記]
 ジェシカさんによれば、『キャッツ』のヴィデオ日本版は、すでに生産中止だったそうです。
 ヒエッ! まだ 2年経ってないじゃん!

(10/5/2000)

Copyright ©2000 Masahiro‘Misoppa’Mizuguchi

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