それぞれの人生それぞれのゲキもは!

KJ さんの場合 2

98年夏、ニューヨーク3部作

第1話 「超・ゲキもは」記念日未遂事件

 寝過ごしてミュージカルを見逃した日が「ゲキもは」記念日でしたよね、misoppa さん。
 さて、僕の話ですが、 6月 26日から 6泊 8日の観劇の旅に出掛けました。 4度目、 4年振りのNY。行く前から、チカラ入ってましたね。「シアターガイド」や misoppa さんのサイトで情報を収集し、 MiL にチケットの手配を依頼して。
 でも、もうひとつチカラ入れなきゃいけないことがあったのです。それは自分の開業準備。
 5月に某広告代理店を退社、 7月過ぎから開業ということでいろいろ準備があったのですが、ギリギリまでやっていたのが開業案内のDM郵送作業。全てのDMを封筒に入れて封をし、切手・住所ラベルを貼ってポストに入れたのが、フライト 6時間前の午前 3時。午前 5時半に起きれば、パッキングをしてシャワーを浴びて、出発の 2時間前には余裕でチェックインできる、と目覚まし時計をセットしてベットに入ると、連日の開業準備の疲れからか熟睡というより爆睡してしまいました。
 そのとき、心地よい眠りを妨げるチャイムの音。寝ぼけながらインターホンに出ると、「○×タクシーです」と運転手さんの声。慌てて時計を見ると午前 6時半。運転手さんに待ってもらい、シャワーも留守電のメッセージ録音もビデオの録画予約も諦め、パッキングだけを済ませてタクシーに飛び乗りました。いつもは流しのタクシーを拾っていたのですが、今回に限っては危機感があったのか、寝る前にタクシー会社に迎車の予約をしていたのです。
 しかし、目覚まし時計はなぜ鳴らなかったのだろう。アラームのスイッチを入れ忘れたのか、それとも鳴ったのだが無意識のうちに止めていたのか。間違いなく午前 5時半にセットしてたのですが。
 もし、タクシーを予約していなかったら、 6月 26日は、劇場どころか、NYにも行けない「超・ゲキもは」記念日になってしまって、毎年この使われなかった不幸なエア・チケットを取り出して供養してあげる、なーんてことになってしまうところでした。
 

第2話 私はミルフォード・プラザの客です

 さて、無事NYに着き、その夜は『シカゴ』を観に出掛けました。ビビ・ニューワースの見事なダンスとカレン・ジエンバの味のある芝居に、劇場にいる間は疲れも忘れていましたが、表に出ると疲れがどっと出てきました。そういえば、飛行機の中でもあまり寝ていない。とても地下鉄で帰る体調ではなくなってたのです。
 ホテルはセントラルパークの西側のため、北行きの一方通行の 8番街に出てタクシーを拾おうとしました。しかし、タクシー待ちの劇場帰りの観客が道に溢れています。
 そこで思いついたのが、 8番街に面したミルフォード・プラザ(ホテル)の玄関前に行くこと。客を降ろすタクシーに運良く乗れるかもしれない。ひょっとしたら、僕のことを宿泊客とドアマンが勝手に勘違いしてタクシーをつかまえてくれるかもしれない。
 ホテルの前で手を上げていると、案の定ドアマンが、「お客様はこちらでお待ちください」と壮絶なタクシー争奪合戦に名乗り上げてくれたのです。笛は鳴らすは、車道の真ん中まで飛び出すは。そしてついに、職務に忠実なドアマンは、家族連れの近くに停まったタクシーを横取りしてくれました。家族連れは猛烈に抗議しますが、ドアマンは「こちらは、当ホテルのお客様だ」と言い返しています。
 ドアマンにチップを渡してタクシーに乗り込むと、家族連れのおばちゃん、「あんたホントにこのホテルの客なの?」と、窓越しに突っかかってくる。「イエス」と答え、ドライバーに宿泊先のホテル名を告げると、ドライバーも「ホテルからホテルまで?」と怪訝そう。しかたなく「そのホテルには友人が宿泊している。今から会いに行く」と、さらに苦しい言い訳をしなければなりませんでした。
 

第3話 月曜日はダメよ!

 今回は、『シカゴ』『キャバレー』『レント』など、チケットの入手が困難なものは旅行前に手配を済ませました。ただし、劇場窓口でチケットを買う楽しみも残しておきたかったため、そこそこいい席が買えそうなものは現地で入手することにしました。
 到着日の翌日の朝、さっそく劇場をまわりチケットを入手。残りは月曜分のみとなり、『ライフ』を買おうと、 BROADWAY THEATRE GUIDE で劇場の場所を確認しました。ところが、どこにも載っていない。 6月 7日にクローズしていたのです。
 じゃあ何を観ようかと、再度 BROADWAY THEATRE GUIDE を広げてみたら、月曜はことごとく休みなのです。 4年前来たときも月曜休演の劇場はあったが、ここまで多くなかった。月曜に開演しているのは、何度も観たロンドン系か、チケット入手済みの『タイタニック』、そしてオフのいくつかの劇場だけです。一瞬、月曜の『タイタニック』のチケットを買って、『タイタニック』を観る予定の日に別の舞台を観ようかとも思いましたが、それではチケットが1枚パーになり、「ゲキもは」者の道に外れてしまう。
 結局、『オペラ座の怪人』にしたのですが、理由は、僕がシアターゴアーになるきっかけとなったのが 10年前にオリジナルキャストで観たこの作品だったからで、さらに、今回の旅行の目的が、そのオリジナルキャストのマイケル・クロフォードのコンサートを観て僕のブロードウェイ・デビュー(もちろん観客としての) 10周年を飾ろうということにあったからです。コンサートの前日に『怪人』を観ておけば、 10年前のことも思いだせて感激も倍増するだろう、と。
 そんなわけで、賢明なシアターゴアーの皆さんは、こんな失敗はしないでしょうが、滞在中、観れるだけ舞台を観てくるというNY旅行に行かれるのなら、月曜夜、それに日曜の昼・夜に何を観るか、から考えてスケジュールを組んでください。

追記
 現在、クレジットカード会社によるブロードウェイのチケット手配は MiL が代行していますが、僕が以前[ゲキもは]に投稿した、翌年の同日のチケットを予約されたという「サンセット・ブールヴァード事件」は 94年のことで、 MiL がカード会社のチケット手配代行を始める前のことです。誤解のないよう付け加えておきます。

 お疲れさまでした。いろいろと(笑)。
 しかし、タクシーの話はニューヨークならではって感じですね。そのドアマンも、実はわかっててがんばったんじゃないですかね、チップ目当てで(笑)。
 でも、窓越しに迫るおばさんは怖そう。

 状況は全然違いますが、こんなことがありました。 前回ニューヨークに行った時の話です。
 到着した JFK は大工事中で、バス乗り場はわからなくなってるわ、タクシー待ちは長蛇の列だわ、雨は降り出すわで大混乱。結局僕は、初めて無料バスで地下鉄の駅まで行き、トークン1枚でマンハッタン入りしたのですが(円安の折、逆にラッキーでした)、その無料バスが大変。
 空港内を巡回してる青いやつは頻繁に来るんですが、地下鉄駅まで行く黄色いやつは、予定でも 30分に1台、混んでるから実際には1時間に1台来るかどうかって感じだったんです。しかも、僕が待ち始めてから最初に来た1台は、渋滞している空港の建物脇には近寄りもせずに素通り。ですから、次のバスが来た時には、思わず駆け寄って飛び乗りました。
 ところが、そのバスも、それ以降のバス停に近寄ろうとしないのです。でも、さっきのバスと違って渋滞に巻き込まれているので、素通りというわけにいかない。当然、待っている人たちは荷物を持って近づいてきてドアをノックします。しかし運転手は無視。
 たいていの人はそれで諦めて戻っていきますが、中に猛然と怒りだしたご婦人がいらした。持っていた傘を閉じると、逆手に持って取っ手の方でドアを殴り始めたのです。運転手も、バスが壊れるぞと怒鳴りましたが、そのおばさん、完全にキレて、 10メートルぐらい追いかけてきて車体を殴り続けました。
 あー、思い出しただけでも疲れる(笑)。日本じゃちょっと考えられない光景ですよね。いや、もちろん素通りするバスのことですが(笑)。

 KJ さん、ありがとうございました。新しいお仕事がうまくいくよう、お祈り申し上げます。

(8/4/1998)

Copyright ©1998 Masahiro‘Misoppa’Mizuguchi

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