それぞれの人生それぞれのゲキもは!

はた吉さんの場合

 ずいぶん前ですが、ロンドンで『オペラ座の怪人』を観たときの話。

 まったく英語のできないわたしですが、劇場にいきゃあなんとかなる!と信じて ハーマジェスティシアター(ですよね)へチケットを求めて行きました。すると当日券売り場らしきところにキャンセル待ちらしき列が……。
 「よくわかんないけどならんじゃえ!」
 と並んで待っていると後ろに東洋人が一人。
 格好からすると、中国人か、韓国あたりか。日本人の旅行者にはみえません。
 「声かけようかなー。でも、日本人じゃなかったら、この後きまずいなー。しゃべれないし」
 と思いつつ、まつこと2時間。前のアメリカ人らしき青年が、なんか声をかけてくるじゃあありませんか。
 「えっと〜。??」と困っていると、後ろの人がかわりに返事して、通訳してくれるじゃないですか!
 つい「日本人だったんですね。」なんて、まぬけなことを言ってしまいました。
 でも、むこうもわたしは中国人だと思ってたそうです。
 お互い「こんな汚いかっこで、芝居に来るのは日本人のわけがない」と思い込んでたんです。自分のことは棚にあげて……。

 そして、結局5時間並んで、彼女(留学生でした)にチケットを買ってもらい、二人でピザハットでピザを食べて無事に観劇しました。
 最後はわたしがひまつぶし用に聞いていた四季版の『オペラ座の怪人』のダビングテープをあげて、名前も聞かずに別れました。
 今にして思えばなんとラッキーだったんでしょう。この旅はこういうラッキーな出会いがたくさん続いてほとんど英語で苦労することなく1ヵ月過ごしたのでした……。

 おわり。

 海外で日本人同士が英語で……という話はときどき聞きますよね。
 僕の友人の場合、ニューヨークで道を聞かれた相手が、どこから見ても日本人。なのに、英語で聞かれたので英語で答えると、相手は怪訝な顔をしながらも英語で受け答え。2人とも変だなあと思いながら、とうとう最後まで英語で話して、「サンキュー」「バーイ」と言って別れたそうです(笑)。

 ところで僕は、ロンドンの『オペラ座の怪人』を観たことがありません。
 あの、見事な雰囲気の劇場を見る度に、いつかはここで、と思うのですが、キャンセル待ちをするほどの根性もなく諦めてしまいます。
 「ゲキもは」者の風上にも置けないって感じですね。

 はた吉さん、ありがとうございました。

(11/3/1997)

Copyright ©1997 Masahiro‘Misoppa’Mizuguchi

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