How many actors in this train@Helen Hayes? 6/21/2009

[ゆけむり通信Vol.84]

6/19-6/24/2009


  • 6月19日20:00
    『ティン・パン・アリー・ラグ THE TIN PAN ALLEY RAG』
    LAURA PELS THEATRE 111 West 46th Street
  • 6月20日14:00
    『ダニーとシルヴィア DANNY AND SYLVIA: The Danny Kaye Musical』
    ST. LUKE'S THEATRE 308 West 46th Street
  • 6月20日17:00
    『ガールズ・ナイト GIRLS NIGHT』
    SOFINA'S 221 West 46th Street
  • 6月20日20:00
    『子供に全部残すべからず DON'T LEAVE IT ALL TO YOUR CHILDREN!』
    ACTORS TEMPLE THEATRE 339 West 47th Street
  • 6月21日15:00
    『陽気な幽霊 BLITHE SPIRIT』
    SHUBERT THEATRE 225 West 44th Street
  • 6月21日19:00
    『グリニッチ・ヴィレッジ・フォリーズ THE GREENWICH VILLAGE FOLLIES』
    MANHATTAN THEATRE SOURCE 177 MacDougal Street
  • 6月22日19:00
    『ウィズ THE WIZ』
    CITY CENTER 55th Street between 6th & 7th Avenue
  • 6月23日20:00
    『コーラライン CORALINE』
    LUCILLE LORTEL THEATRE 121 Christopher Street
  • 6月23日22:00
    『パーカッション・ディスカッション・ウィズ・サヴィオン・グローヴァー PERCUsSion DISCUsSION with Savion Glover』
    45 BLEEKER STREET THEATRES 45 Bleecker Street
  • 6月24日14:00
    『ウィキッド WICKED』
    ST. LUKE'S THEATRE 308 West 46th Street
  • 6月24日20:00
    『ウエスト・サイド物語 WEST SIDE STORY』
    PALACE THEATRE 1564 Broadway
    * * * * * * * * * *

     トニー賞後、父の日(こちらでは普通に浸透している祝日……っつっても日曜日ですが)を挟んでの滞在となったニューヨーク。主に国内からのようだが観光客が多く、 6月には珍しく雨模様の日が多かったにもかかわらず、 tktsも最近にない賑わいを見せていた。
     さすがに、この時期、オンの新作はなく、観劇の目玉は一応、シティ・センターの限定公演『ウィズ』。プラス、ぜひ再見したかった『ウエスト・サイド物語』。その 2作品のチケットだけを予約して渡米して、あとは、現地でタイムアウトを見ながらスケジュールを組んだ。で、こうした時の常で、オフに当たりがあるあたりがニューヨーク演劇界の底力。
     とはいえ、“タップの王子様”サヴィオンに翻弄される一幕もあったりで(上記リスト中のグレイになっている演目がそれで、劇場に行ってみたらキャンセル。詳細は近々「ゲキもは」ででも)、まあ、そんなこんなを含めて、終わってみれば楽しい 1週間でした。

     今回はオフ、オフ・オフから観た順に。
     『ティン・パン・アリー・ラグ』は、アーヴィング・バーリン Irving Berlin とスコット・ジョプリン Scott Joplin の楽曲によるミュージカル、という予備知識からノスタルジックなショウを予想していたが、実際は、ティン・パン・アリーのオフィスで持ち込み楽曲の応対をするバーリンの元にジョプリンが現れる、という、実在の作曲家 2人を登場させるドラマ仕立て。ヒット曲作りに徹するバーリンと、『ポーギーとベス PORGY AND BESS』に先行するようなラグタイム・オペラを実現させようとするジョプリン。 2人の論争めいた対話は、やがて互いの人生に踏み入っていき……。若きバーリンの勤める楽曲事務所をジョプリンが訪れた可能性はあるようで、バーリンの出世作となった「Alexander’s Ragtime Band」の導入部はジョプリンが持ち込んでいた楽曲から採った、とジョプリン自身が後に友人に語ったという事実もあるらしい。そうした虚実ない交ぜのスリリングな展開と、ジョプリンのオペラの部分的再現(おそらく、これが主眼)とで興味深く見せていく。ラウンダバウト製作だが、彼らがオリジナル・ミュージカルを作るのって、もしかして初か。
     『ダニーとシルヴィア』も、ある種の実録もの。登場人物はダニー・ケイ Danny Kaye と、楽曲作者としての才能もあり、ケイが世に出る手助けもした、その妻シルヴィア・ファイン Sylvia Fine の 2人だけ。夫婦の情愛がドラマの軸だが、ストーリーの信憑性は不明。ともあれ、舞台の見どころは、ブライアン・チャイルダーズ Brian Childers によるダニー・ケイの芸の再現にある。一旦ニューヨークを離れてのロンドン公演がウケたらしいが、理由はその辺だろう(ロンドンものミュージカルにはこのタイプが多い)。なので、お年を召した懐かしがり観客は喜んでいたが、個人的にはイマイチ。もっとも、かっちりと作ってはあり、完成度はそれなりに高い。
     今回一番驚いた演目が『ガールズ・ナイト』。何が驚いたって、バックの演奏がカラオケで、客席のほとんどを占める女性の多くが酔っ払っていること。ノリとしてはニューハーフ・クラブのショウな感じ。ストレス発散の場、ってことか。それでも出演者 5人の女優がそれなりにうまいから困る。一応ストーリー(というか状況設定)はあります、とだけ言っておこう(笑)。
     『子供に全部残すべからず』は、有名な映画や舞台(例えば『我が道を往く GOING MY WAY』とか)に出演経験のある超ベテラン俳優 4人(オフ典型編成の男女 2人ずつ)による歌+スタンダップ・コミックのショウ。老人が現状に苦言を呈するスタイルで軽妙に進行。当然ながら、みなさん立派な現役で、いやもう芸能人の層の厚さに呆然とする。
     打って変わって若手の役者 5人による、ごくごく小さな空間でのショウが『グリニッチ・ヴィレッジ・フォリーズ』
    。タイトルの通り、グリニッチ・ヴィレッジの歴史をソング&ダンスで見せていくショウで、同地の自由な気風の賛歌を軸に、アメリカの矛盾と希望を描き出す。若いながらもそれなりに達者な出演陣の熱演に、爽やかな気分が残る。
     最終的にはブロードウェイにやって来た 07年のパティ・ルポン版『ジプシー GYPSY』で始まったシティ・センターの「アンコールズ! サマー・スターズ」シリーズの 09年版が『ウィズ』。ご承知の通りの『オズの魔法使い THE WIZARD OF OZ』のオール・ブラック・キャスト・ヴァージョンで、今回の演出と振付は『イン・ザ・ハイツ IN THE HEIGHTS』のトーマス・カイル Thomas Kail とアンディ・ブランケンバウアー Andy Blankenbuehler のコンビ。テンポのいい、いきいきした舞台に仕上げてあった。ドロシー役は歌手のアシャンティ Ashanti で、歌える以外に取り柄なしだが、いい魔女のラシャンズ LaChanze、悪い魔女のティシナ・アーノルド Tichina Arnold はじめ周りは達者揃い。アイディアのある装置も楽しい。
     『コーラライン』は、子供向けを装いながらも高度な表現を駆使した充実作(てか、子供向けの舞台には、そういうものが多い)。タイトルは主人公の女の子の名前(演じるのは、それなりに歳のいった女優)で、彼女がちょっと怖い体験を通して精神的に成長するという話だが、次々に登場する不気味で個性的なキャラクターが魅力的で、彼らが不思議な扮装の人間の役者だったり、奇妙なパペットだったり、と様々な姿をしているのも面白い(それらを少数の役者が早替わり的に演じ、操る)。おまけに、セットは様々なサイズ(極小まで)のピアノで占められていて、それらを使って実際に音を出す。しかし、クライマックスの“悪の化身”はホントに怖かった。

     オンは 3本。
     『陽気な幽霊』はノエル・カワード Noel Coward の有名作。非ミュージカルのこの舞台を観たのは、アンジェラ・ランズベリー Angela Lansbury を観るため。アンジェラおばさん、いんちき霊能者役を、やり過ぎなぐらい嬉々として演じていたが、あれでいいんですかね(笑)。陽気な幽霊役のクリスティーン・エバーソール Christine Ebersole が実にハマっていて面白かった。ナンセンスなコメディ。僕は好きです。
     5年半ぶりに『ウィキッド』を観たのは、もちろん『ウィズ』との“オズ”つながり。ってのは半分はホントだが、半分は、時間に余裕があったから。よく出来た脚本であることは再確認出来たが、同時に、オリジナル・キャスト(ことにクリスティン・チェナウェス Kristin Chenoweth)の素晴らしさも改めて実感することにもなった。
     2月以来の『ウエスト・サイド物語』は、トニーを獲った(助演女優賞)アニタ役のカレン・オリーヴォ Karen Olivo を観るのが楽しみだったが、残念ながら代役。迫力が全然違った。しかし、このザラッとした感触の演出、 2度観ても面白い。ところで 1つ訂正。 [ゆけむり通信Vol.82] で [「America」は、歌詞が英西混合になることで一気にリアリティを増す] と書いたが、これは勘違い。きついスペイン語訛り部分があるが、全て英語でした。

     次回ニューヨークは 10月の予定。

    (8/26/2009)

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