New tkts at Daffy Square 11/19/2008

[ゆけむり通信Vol.81]

11/18-11/23/2008


  • 11月18日19:00
    『サーティーン 13』
    JACOBS THEATRE 242 West 45th Street
  • 11月19日14:00
    『ホワイト・クリスマス Irving Berlin's WHITE CHRISTMAS』
    MARQUIS THEATRE 1535 Broadway
  • 11月19日20:00
    『ビリー・エリオット BILLY ELLIOT』
    IMPERIAL THEATRE 249 West 45th Street
  • 11月20日14:00
    『ハイ・スクール・ミュージカル HIGH SCHOOL MUSICAL』
    PAPER MILL PLAYHOUSE Millburn, New Jersey
  • 11月20日20:00
    『シュレック SHREK The Musical』
    BROADWAY THEATRE 1681 Broadway
  • 11月21日20:00
    『パル・ジョーイ PAL JOEY』
    STUDIO 54 254 West 54th Street
  • 11月22日14:00
    『マイ・ヴォードヴィル・マン MY VAUDEVILLE MAN』
    THEATRE AT ST. PETER'S 619 Lexington Avenue
  • 11月22日20:00
    『オン・ザ・タウン ON THE TOWN』
    CITY CENTER 55th Street between 6th & 7th Avenue
  • 11月23日14:00
    『ロマンティック・ポエトリー ROMANTIC POETRY』
    CITY CENTER 55th Street between 6th & 7th Avenue
  • 11月23日19:00
    『ロード・ショウ ROAD SHOW』
    PUBLIC THEATER 425 Lafayette Street
    * * * * * * * * * *

     久々に寒いニューヨークでした。しかも、ブロードウェイにも寒風が……。今シーズンの新作ミュージカルは、第 1弾の『[タイトル・オブ・ショウ] [title of show]』に続き、 2か月前に観た『二都物語 A TALE OF TWO CITIES』もすでに姿なく、今回 2度目の観劇となった『サーティーン』も来年 1月 4日でのクローズが滞在中に発表された。予想されたこととはいえ、厳しい。
     今回、オンに新たに登場したのは 4作品だが、内 1本はリヴァイヴァル、 1本は季節ものの期間限定上演作で、実質の新作は 2本。トニー賞の 6月まで、『ビリー・エリオット』は間違いなく生き残るだろうが、『シュレック』はどうだろう。候補作の極端に少ないトニー賞になったりして。ブルブル。
     と言いながら、ホントは今回のニューヨークは楽しかった。もちろんオフも含め新作が多いからだが、もう 1つの理由は、友人の萩原健太・祐子夫妻がブライアン・ウィルソン Brian Wilson のライヴを観に来ていて、久しぶりにゆっくり話が出来たから(旅行の時はお互いに時間がありますからね)。さらに、彼らに誘われて、そのブライアンのサイン会にまで出向きサインをゲットするというオマケ付き。ホクホクです。

     さて、まずは、オンの新作から。
     ロンドンでオープン年に観て(このサイトでは当時、映画邦題『リトル・ダンサー』を採用)以来 3年半ぶりの『ビリー・エリオット』は、ブロードウェイ正式オープン後 6日目。危惧した改悪もなく、ゴツゴツした骨太感をそのまま残しての上演となった。“反サッチャー”を強烈に掲げる、その労働者階級色に、アメリカの観客がどう反応するかも興味の 1つだったが、難なくクリア。主人公の少年(トリプル・キャスト)の卓越した、そして力の籠ったダンスと、炭鉱町のコミュニティの人情と家族愛を描いたドラマが、異国の人々の心をも捉えた。実際、わかっちゃいてもジンと来ます。
     『シュレック』も、『ビリー・エリオット』同様、同名映画の舞台ミュージカル化。元がアニメーションだけに、ディズニー的な子供じみた作りかと思いきや、映画の持つ諧謔性を生かして、けっこう辛辣。なにしろ主人公は怪物(フリークス)ですから、一筋縄ではいかない。むしろお子達は退屈気味。でも、商売としては、お子達を呼んでグッズも買ってほしいし、といったあたりが微妙なところか。ほとんど素顔の見えないブライアン・ダーシー・ジェイムズ Brian d'Arcy James(シュレック)も快演だが、サットン・フォスター Sutton Foster(姫)のまたまた一皮剥けたコメディエンヌ振りが見もの。
     トニー賞の作品賞が『ビリー・エリオット』だとしたら、リヴァイヴァル作品賞はこれか、と思わせたのが『パル・ジョーイ』。 1940年初演のロジャーズ&ハート Richard Rodgers & Lorenz Hart 作品で、初演の主演がジーン・ケリー Gene Kelly、映画版(邦題『夜の豹』)主演がフランク・シナトラ Frank Sinatra。今回その役を演じるのは『ジャージー・ボーイズ JERSEY BOYS』でトニー賞助演男優賞を得たクリスチャン・ホフ Christian Hoff。野心家で浮気なソング&ダンス・マンになりきって、出づっぱりの大活躍。苦い内容を引き立てる装置や照明が見事で、充実した舞台に仕上がっている。
     『ホワイト・クリスマス』は同名ミュージカル映画(1954年)の“ほぼ”忠実な舞台化。ここ何年か、ニューヨーク以外でホリデイ・シーズンの公演を重ね、満を持してブロードウェイに乗り込んできた。……のか、ブロードウェイが手薄になったのを見て、ここぞとばかりに上演を決めたのかは不明(笑)。ただし、ここでも新年 1月 4日までの限定公演。困った時に、「じゃあショウをやろう」という、伝統の“put on a show”話で、例えて言えば『クレイジー・フォー・ユー CRAZY FOR YOU』等と同じスタイル。したがって、手を変え品を変えて繰り出されるショウ場面を楽しんでいればよく、新鮮味を求めなければ見どころは多い。まあ、「White Christmas」「Blue Skies」「How Deep Is The Ocean」と名曲が並んでタップも響けば、何をかいわんや、だ。
     『サーティーン』を再見したのは、前回がプレヴュー 2日目だったから。正式オープン後 1か月半経ち、前回よりこなれて、演じる少年たちもいきいきして見えたが、 1幕ものだということもあり、やはりもの足りなさは残った。出演した少年少女の今後に期待。

     続いてオフ他を観た順に。
     ニュージャージーのペイパーミル・プレイハウスに遠征して観た『ハイ・スクール・ミュージカル』は、ご存知ディズニーの同名 TVミュージカルの舞台化。いつもはご老体でいっぱいのこの劇場に、珍しく若い観客が団体でやって来ていたのは、間違いなく、その TV版人気のせい。が、いつの時代だかわからない毒にも薬にもならない内容に、年齢的にはご老体の方に近いこちらは、呆れ気味。TV画面でなら OKの PV(プロモーション・ヴィデオ)ノリのショウ場面も物足りない。ブロードウェイ入りを狙っているなら、その道は限りなく遠いと見た。
     『マイ・ヴォードヴィル・マン』は、ジャック・ドナヒュー Jack Donahue という実在のヴォードヴィル役者の半生を、母親との手紙のやりとりを通じて描く伝記的ミュージカルで、出てくるのはジャックと母親のみ。その構成も、シンプルながらよく出来ていて面白いが、見どころはジャック役者のソング&ダンス・マンぶりにある。映画『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ YANKEE DOODLE DANDY』のジェイムズ・キャグニー James Cagney を髣髴させるショーン・ワイリー Shonn Wiley の熱演に心から拍手。
     『オン・ザ・タウン』は、ご存知、レナード・バーンスイン Leonard Bernstein 作曲(一部作詞)、コムデン&グリーン Betty Comden and Adolph Green の作詞・脚本(初演は出演も)、そしてオリジナルはジェローム・ロビンズ Jerome Robbins 振付のダンスで知られる名作。今回はシティ・センターのコンサート形式限定公演“アンコールズ!”シリーズの 1つなので、舞台中央にオーケストラがいて、その前で芝居、一段高い後ろでダンスという仕様。演出はジョン・ランドゥ John Rando 。すっきりしていながらも見どころをきっちり押さえた舞台で、ウォーレン・カーライル Warren Carlyle の振付もいい感じ。個人的には、サットン・フォスター同様『ヤング・フランケンシュタイン YOUNG FRANKENSTEIN』を見限った(笑)アンドレア・マーティン Andrea Martin が目当てだったが、予想に違わぬ怪演。てか、やりすぎなくらいでした(笑)。
     『ロマンティック・ポエトリー』は、『オン・ザ・タウン』と同じくシティ・センターながら、地下のマンハッタン・シアター・クラブ Manhattan Theatre Club の運営する小劇場での上演(こちらも限定公演)。映画版『ドリームガールズ DREAMGIRLS』が当たって再び注目を集める作曲家ヘンリー・クリーガー Henry Krieger の新作で、脚本・作詞・演出は映画『月の輝く夜に MOONSTRUCK』の脚本家ジョン・パトリック・シャンリー John Patrick Shanley。“真実の愛とは?”みたいなテーマがかったるいと見る向きもあるようだが、僕は全然気にならず、小ぢんまりとはしているが、楽しいミュージカル・コメディとして観た。
     長らくニューヨーク入りが噂されていたスティーヴン・ソンダイム Stephen Sondheim(楽曲作者)の新作『ワイズ・ガイズ WISE GUYS』が、『ロード・ショウ』と名を変えて(内容も変わったようだ)、ついにオフに登場。実在した、野心はあるが実直な兄と、ほとんど詐欺師の弟、という兄弟の、 19世紀末のゴールド・ラッシュから 1930年代のフロリダの不動産ブームに到る 40年の、愛と葛藤の物語。演出は、このところソンダイムのブロードウェイ・リヴァイヴァルを続けて演出してきたジョン・ドイル John Doyle で、 05年の『スウィーニー・トッド SWEENEY TODD』同様、いっぱいに積み上げられた家具やトランクの山という、細部は具象的で全体が抽象的な装置も手がけ、舞台に濃密な空気感を作り上げて 1幕 2時間のドラマを一気に見せる。楽曲は、この作者にしては適度なポップさも含み、親しみ易い。深い感動は生まないかもしれないが、充実したミュージカル体験は得られる舞台だ。

     カヴァーしきれないので、今回、オフの観劇は期間限定作を優先した。見逃した作品が次回まで生き残っていることを祈る。

     次回は 2月の予定です。

    (12/4/2008)

    Copyright ©2008 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro

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