DELACORTE THEATRE in Central Park 8/8/2008

[ゆけむり通信Vol.79]

8/7-8/11/2008


  • 8月 7日20:00
    『「タイトル・オブ・ショウ」 [title of show]』
    LYCEUM THEATRE 149 West 45th Street
  • 8月 8日10:30
    『汚れた靴下を食べた植物 THE PLANT THAT ATE DIRTY SOCKS』
    LUCILLE LORTEL THEATRE 121 Christpher Street
  • 8月 8日20:00
    『ヘアー HAIR』
    DELACORTE THEATRE Turtle Pond in Central Park
  • 8月 9日14:30
    『イン・トランジット IN TRANSIT』
    THEATRE AT ST. PETER'S 619 Lexington Avenue
  • 8月 9日18:00
    『デジール DESIR』
    SPIEGELWORLD Pier 17 at South Street Seaport
  • 8月 9日20:00
    『バッシュド BASH'D』
    ZIPPER THEATRE 336 West 37th Street
  • 8月 9日22:00
    『フエルザブルータ FUERZABRUTA』
    DARYL ROTH THEATRE 101 East 15th Street
  • 8月10日15:00
    『シプシー GYPSY』
    ST. JAMES THEATRE 246 West 44th Street
  • 8月10日20:00
    『アリアス・ウィズ・ア・トゥイスト ARIAS WITH A TWIST』
    HERE ARTS CENTER 145 6th Avenue
  • 8月11日19:00
    『フォービドゥン・ブロードウェイ:スターとダンス FORBIDDEN BROADWAY: Dances With The Stars』
    47TH STREET THEATRE 304 West 47th Street
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 早くも今年 4度目のニューヨーク。今年は僕にとってニューヨーク上陸 20周年に当たるもので、いつもより多めに飛んでおります――というのはウソ。いや、 20周年はホントですが、ハイペースになっている理由は……自分でもよくわかりません(笑)。
 で、今回は息子と一緒。ヤツは 4度目、 10年振りのニューヨーク。ま、いろいろあって、節目節目で同行してますが、これまでと違うのは、今回ヤツは劇場に行かなかった。最初が 8歳(91年 7月)で、以降、 12歳(95年 3月)、 15歳(98年 3月)と 3回、いずれも、ほとんどの劇場に同道。にもかかわらず劇場人間にはならず音楽人間になった。というわけで、ヤツは今回は音楽三昧。野外フェスからクラブまで、いろいろ楽しんだようです。
 さて今回の観劇。プレヴューが始まる予定だった『ゴッドスペル GODSPELL』が姿を見せず、オンに新たに登場したミュージカルは、 2年半前にオフで観た『[タイトル・オブ・ショウ]』のみ。ならば余裕のスケジュールかと言うと、そうでもなく、確実にチケットが獲れるかどうかわからない演目もあり、スケジュール組みに苦心した。とはいえ、今回はチケット運がよかった――という話は追い追い。
 ちなみに気候は、日本よりはるかに涼しかった(気温自体もやや低いが、湿度がずっと低い)。時折、雨も(あるいは雹も)降りましたが、それには幸い見舞われず、またも快適に過ごしました。

 では、観た順に。
 『[タイトル・オブ・ショウ]』は、時事ネタが更新されている他は、出演者も含め、内容も、ほぼ 2年半前のまま。今のところ客は入っていて大ウケしているが、この [知っている人ほど笑える“内輪ネタ”満載のバックステージもの] が、いつまで続くか。面白くはあるが決め手に欠ける感は拭えず、この舞台に好感は持つものの、正直、オンの値段で観るのは抵抗がある。
 『汚れた靴下を食べた植物』は、ルシル・ローテル劇場恒例の子供向け無料公演。ときどき子供連れに混じって厚かましくも観せていただくのだが、だいたいにおいてレヴェルが高い。そして、今回は当たりだった。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の一般家庭ユーモラス版の趣だが、性格の違う兄と弟を中心にして展開する家族や友人とのコミュニケーション回復のドラマが、軽快なギャグを交えつつ、けっこう深く掘り下げられる。ロック、ヒップホップ系の楽曲も魅力的で、ぜひ大人向けに拡大版を作ってほしいと思う。
 昨年 9月に 40周年記念と銘打って数公演だけ行なわれたセントラル・パーク野外劇場の『ヘアー』が、パブリック・シアター恒例の夏のイヴェントとしてカムバック。日米のキャスト・アルバムは聴いたことがあったものの、舞台版を観るのは初めて。で、感想は、なるほどこういうものか、というもの(笑)。“愛と革命の時代”の徴兵忌避の話が 40年後の現実とダブる、というあたりに今日性を見出すことも出来ないではないが、“あの頃”のファッションで出てこられると、いくら若い役者たちがいきいき演じようと、やはり“懐かしもの”にならざるをえない。楽曲のよさは再認識しましたがね。なお、この公演のチケット(無料)は本来は当日並ばないと入手出来ないが、今回からオンラインでの当日受付(抽選)が始まり、到着日夜の申し込みで運よく一発当選した。今回の第 1の幸運。
 『イン・トランジット』は、この教会地下の劇場が恒常的に行なっているオリジナル・ミュージカルのリーディング形式上演シリーズの 1つ。 6人の役者と、ボックスマンと称する(ヒューマン)ビートボックス演者(=マイクを口に当てて様々な音でリズムを紡ぎだす、あれです)による、ア・カペラ・ミュージカルで、ニューヨークの交通機関を舞台に、恋愛を軸にしたコミュニケーション回復のドラマ(ここでも!)が描かれる。コント的な短い場面がバラバラに現れ、それらが、やがて絡み合い……という手法が、オーソドックスながら、よく出来ていて、案外沁みた。
 夏の間、サウスストリート・シーポートに仮設されたテントで行なわれている演目の 1つが、『デジール』。パリからやって来たという、キャバレー的サーカス・ショウ。テントは小さく、インティメイトな気配があって、派手ではないが、けっこう楽しめた。
 『バッシュド』は、“ゲイ・ラップ・オペラ”と銘打たれた、演者 2人のラップ・ミュージカル。演じる 2人が脚本も書いた自伝的な内容……のようだが、さすがにヒアリングがついていかず、この日 4本立ての 3本目だったこともあり、半ばウトウト。あ〜あ。
 『フエルザブルータ』『ヴィーシャ・ヴィーシャ VILLA VILLA』のデ・ラ・ガルダ De La Guarda が昨年秋にオープンしたパフォーマンス。ずっと後回しにしてきたが(笑)、ようやく余裕が出来たので観た。『ヴィーシャ・ヴィーシャ』を観た目には驚きは少ない。趣向は違えど発想は同じ、といったところ。前作同様、 [ビールでもひっかけて積極的に盛り上がった方が“得”ってこと] でしょう。ともあれ、百聞は一見にしかず、です。
 いつものことだが、渋い舞台ばかり観ているとブロードウェイらしいやつがどうしても観たくなる。で、 3度目の『シプシー』。いやあ、よく出来てる。パティ・ルポン Patti LuPone がちょっと張り切りすぎの感なきにしもあらずだったけど(笑)、でも、役者も、みんな見事。楽しかった。
 『アリアス・ウィズ・ア・トゥイスト』は、ビリー・ホリデイ Billie Holiday そっくりに歌う伝説的ドラッグ・クイーン、ジョーイ・アリアス Joey Arias と、パペット使いを中心にしたユニークな舞台作りで知られるバジル・トゥイスト Basil Twist とが組んだ、摩訶不思議な半ヴァーチャル・キャバレー・ショウ。才能と技術を備えたパフォーマーとクリエイターががっちり組んで、バカバカしさと麗しさの境界線上を行ったり来たり。大笑いして感動しました。劇場が小さく、ほとんどの回が売り切れだったが、当日売りのラッシュ・チケットをゲット(なんか、一昨日、チケットが獲れないことに苛立った客がバンで劇場に突っ込んだらしいです。公式サイトのブログに写真あり)。今回の第 2の幸運。運はこういう風に使いたいものです(笑)。
 『フォービドゥン・ブロードウェイ』のニュー・ヴァージョンのテーマは、果敢に“ダンス”。と言っても、あの狭い舞台では踊ってばかりもいられず、当然のごとく歌ネタの方が多いのだが、そちらも、またまた、かなりリニューアル。そのチャレンジ精神と衰えぬ舞台愛に基づいた批評精神には、頭が下がる。

 次回は前回予告した通り、 9月。恒例、 NYMFです。

(8/24/2008)

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