The strike on dark 45th Street 11/21/2007

[ゆけむり通信Vol.75]

11/20-11/25/2007


  • 11月20日20:00
    『ドリスからダーレンへ DORIS TO DARLENE』
    PLAYWRIGHTS HORIZONS 416 West 42nd Street
  • 11月21日14:00
    『クイーンズ大通り QUEENS BOULEVARD』
    PETER NORTON SPACE 555 West 44th Street
  • 11月21日20:00
    『ウォルマートピア WALMARTOPIA』
    MINETTA LANE THEATRE 18 Minetta Lane
  • 11月22日16:30
    『クリスマス・スペクタキュラー THE RADIO CITY CHRISTMAS SPECTACULAR』
    RADIO CITY MUSIC HALL 1260 Avenue of the Americas
  • 11月22日20:00
    『フォービドゥン・ブロードウェイ:不躾なめざめ FORBIDDEN BROADWAY: Rude Awakening』
    47TH STREET THEATRE 304 West 47th Street
  • 11月23日14:00
    『ヤング・フランケンシュタイン YOUNG FRANKENSTEIN』
    HILTON THEATRE 213 West 42nd Street
  • 11月23日17:00
    『セリア CELIA』
    NEW WORLD STAGES(STAGE 2) 340 West 50th Street
  • 11月23日20:00
    『フランケンシュタイン FRANKENSTEIN』
    37 ARTS(THETATRE A) 450 West 37th Street
  • 11月24日14:00
    『ザナドゥ XANADU』
    HELEN HAYES THEATRE 240 West 44th Street
  • 11月24日17:00
    『メイク・ミー・ア・ソング MAKE ME A SONG』
    NEW WORLD STAGES(STAGE 5) 340 West 50th Street
  • 11月24日20:00
    『最低賃金 MINIMUM WAGE』
    GREEN ROOM 45 Bleecker Street
  • 11月25日12:00
    『タップアイル TAPEIRE』
    NEW VICTORY THEATER 209 West 42nd Street
  • 11月25日15:00
    『第25回パットナム郡スペリング競技会 THE 25TH ANNUAL PUTNAM COUNTY SPELLING BEE』
    CIRCLE IN THE SQUARE 50st Street bet Broadway & 8th Avenue
  • 11月25日19:00
    『グローリアス・ワンズ GLORIOUS ONES』
    MITZI E. NEWHOUSE THEATRE at Lincoln Center

* * * * * * * * * *

 またまた天候には恵まれ(そして、なぜか帰国日に雨が降ることが多い)、さほど寒くもなかったのだが、なんとか開演前日までには解決をという願いも空しくローカル・ワン(ブロードウェイの大道具の組合)のストライキは続き、予約してあった『リトル・マーメイド THE LITTLE MERMAID』の24日公演のキャンセルが到着日には決まってしまった。半年前から予約してあったのに、残念。
 とは言うものの、もう 1本のブロードウェイの新作『ヤング・フランケンシュタイン』は上演していて無事に観られたし、他はオフ中心の予定だったので、ストの規模の大きさからすれば個人的に受けた影響は最小限だったと言っていい。逆に、ホリデイ・シーズン(22日が感謝祭)の変則スケジュールのおかげで、より多く観られるという結果になったりもした。さらに言えば、オンの上演本数が少ないために tktsが空いていて楽だったというオマケまで付いた。
 しかしながら、この書き入れ時に劇場を開けられないのはプロダクションにとっては大きな痛手だったはずで(結局 19日間ストは続いた)、年明けに幕を下ろす作品が少なくない、なんてこともあり得るのかもしれない。ま、ディズニーだけに、『リトル・マーメイド』は大丈夫だろうけど。

 ざっとの感想を、まずはオンから。
 『プロデューサーズ THE PRODUCERS』を大当たりさせたメル・ブルックス Mel Brooks(共同脚本・作曲作詞)×スーザン・ストロマン Susan Stroman(演出・振付)のコンビのブロードウェイ最新作『ヤング・フランケンシュタイン』が今回の目玉の 1つ。ネタ(ブルックス監督同名映画のミュージカル舞台化)から言って、さほど期待していなかったのだが、ストロマン王道路線のショウ場面満載ミュージカルで、かなり楽しめた。充実した役者たち(ロジャー・バート Roger Bart、サットン・フォスター Sutton Foster、アンドレア・マーティン Andrea Martin 他)の貢献も大きい。ただし、楽曲は前作以上に既聴感が強い。
 7月に観た『ザナドゥ』を早くも再見。それほど気に入ったのかと訊かれると困るのだが、 2度観ても楽しめるかどうか確かめたかった、と。そういうことにしてください(笑)。結果はと言うと、よく出来ていて面白かった。やはり 1幕で終わるのが物足りないのだが。
 “スペリング・ビー”こと『第25回パットナム郡スペリング競技会』を、オフ公演以来初めて、ロングランが終わる前に(来年1月20日まで) 1度はオンで、と観に行った。オンと言ってもサークル・イン・ザ・スクエア(アップタウン)は小さめの、舞台を囲むように座席のある劇場で、それを生かして会場を体育館に見立ててあるのがうまい。キャストは全く替わっているが、きちんと質は維持されていて楽しんだ。未見の方は、ぜひ 1度。

 残りも観た順に。
 『ドリスからダーレンへ』はプレイビル・オンラインのオフ・ブロードウェイの一覧に“Play with Music”とあったので観に行ったのだが、これが、ほぼ“Play”。フィル・スペクター Phil Spector +ダーレン・ラヴ Darlene Love(この 2人は仮名にしてあるが、明らかにモデル)、リヒャルト・ヴァーグナー(ワーグナー) Richard Wargner +ルートヴィヒ2世 King Ludwig U、現代の高校生と音楽教師、という 3組の人間模様が音楽と愛を巡って描かれる。終盤、音楽教師がア・カペラで朗々とアリアを歌いだしたので驚いた。あちらの役者は何でも出来るんですねえ。
 異色だったのが『クイーンズ大通り』。描くのは、エスニック度の高いクイーンズの町で結婚したインド人男性と日本人女性をめぐって起こる大騒動の 1日のドラマ。楽曲は全て既存のもので、演奏も大半はオリジナル音源のカラオケ。歌入りオリジナル音源そのものを流す場面もあり、その 1つが喜納昌吉&チャンプルーズの「花」。それに合わせて主演女優が日本舞踊らしきものを踊る。チャンプルーズの楽曲は他にも使われていて、これが日本のイメージということか。そんなこんなで、いろいろと変わったところが多い。完成度も高いとは言えないが、不思議なヴァイタリティがあり、興味深かった。
 『ウォルマートピア』は、大型スーパー・マーケットのウォルマートが世界制覇を成し遂げる、という、『ユーリンタウン』的な近未来恐怖コメディ。ブロードウェイ級の役者が多く出ているが、脚本、演出がもたつき気味。狙い以上に B級になってしまった印象。
 ラジオシティ名物の『クリスマス・スペクタキュラー』を観るのは 7年振り。いやあ、ロケッツは何度観ても素晴らしい。さらに、導入部の CGが 3G仕様に進化していて驚いた。なにはともあれ、観るべし。
 実は、今回最も楽しんだのが、『フォービドゥン・ブロードウェイ:不躾なめざめ』。ちょうど 1年前に観ているが、サブタイトルが変わっていることからもわかるように、リニューアル版。しかも、これまでにない全編リニューアル。新作ネタが大半を占めていて、意気込みが違う。きっかけは、どうやら『春のめざめ SPRING AWAKENING』らしく、同作に対する賛否半ばの思いが脚本の批評性を高めたようだ。感謝祭の夜で他の公演がほとんど休みだったこともあり完全満席で、大いに盛り上がった。
 『セリア』は、サルサの女王、故セリア・クルーズ Celia Cluz の伝記ミュージカル。特徴は、演じるセリアと歌うセリアとが別人なことで、早い話、役者と歌手なわけだ。そんなこともあり、セリアの夫の目を通したドラマになってはいるが、半ば擬似コンサートの印象。歌手(シオマラ・ローガート Xiomara Laugart)がうまいこともあり、楽しんだが。観た回は英語だったが、スペイン語での上演が多いようだ。そっちの方が盛り上がるんだろうな。
 偶然、この時期オフでも『フランケンシュタイン』を上演中。ただし、こちらは原作小説に沿ったゴシック・ホラー的な内容。が、セットも演出も近代的で、どうも、その辺の折り合いがしっくりいっていない印象。力作ではあるが。主演は『ユーリンタウン URINETOWN』のハンター・フォスター Hunter Foster。
 『メイク・ミー・ア・ソング』は、“スペリング・ビー”の楽曲作者ウィリアム・フィン William Finn の様々な楽曲を歌い継ぐショウ。男女 2人ずつが出演するオフの典型的なスタイルで、もちろん全員がうまい。繰り返しのギャグを挟んだり、最も有名な『ファルセットズ FALSETTOS』のナンバーを組曲として歌ったりと、めりはりもあって飽きないし、最後には温かな気持ちになる。それもフィン楽曲の力か。
 『最低賃金』は、劇場を、架空のハンバーガー・ショップの店員教育の場と設定したコメディで、歌は全てア・カペラ。工夫を凝らしたコーラス・ワーク等、歌は悪くないのだが、脚本・演出がひどく、役者のコメディ演技もぎこちなく、笑えない場面が多すぎて退屈した。
 『タップアイル』というタイトルは、タップ+アイルランド(のゲール語の綴り)。アイルランドのタップ・ダンサー、ジェイムズ・ディヴァイン James Devine と彼のバンドによるショウだ。ショウと言っても、タップの本質であるジャム・セッション色が強く、子供向け劇場の演目としては、やや高度か。アイルランド人らしく、『リヴァーダンス RIVERDANCE』で知られる伝統的ケルティック・ダンスの素養があるのもユニーク。小型カメラを駆使したりして視覚的な工夫もあり、飽きずに楽しめた。
 リン・アーレンズ Lynn Ahrens(脚本・作詞)、ステファン(スティーヴン?)・フラハーティ Stephen Flaherty(作曲)、グラシエラ・ダニエル Graciela Daniele という『ワンス・オン・ディス・アイランド ONCE ON THIS ISLAND』のトリオによる新作なだけに期待していたのが『グローリアス・ワンズ』。 16世紀中頃にイタリアで形を整えたとされる即興喜劇コメディア・デッラルテの伝統に則っているというコメディ、ってことで最近復活した『ファンタスティックス THE FANTASTICKS』とテイストが似ているのだが、こちらは設定も 16世紀頃のイタリア。ドタバタとテンポよく展開していくが、この作者たちの作品にしては迫ってくるものがなく、やや残念な仕上がり。

 次回渡米は『リトル・マーメイド』への再挑戦で、 1月末の予定。心配は雪。

(12/24/2007)

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