Theatres on 45th street 4/12/2007

[ゆけむり通信Vol.72]

4/10- 4/15/2007


  • 4月10日20:00
    『プロデューサーズ THE PRODUCERS』
    ST. JAMES THEATRE 246 West 44th Street
  • 4月11日14:00
    『グレイ・ガーデンズ GREY GARDENS』
    WALTER KERR THEATRE 219 West 48th Street
  • 4月11日20:00
    『カーテンズ CURTAINS』
    AL HIRSCHFELD THEATRE 302 West 45th Street
  • 4月12日14:00
    『略奪された七人の花嫁 SEVEN BRIDES FOR SEVEN BROTHERS』
    PAPER MILL PLAYHOUSE Millburn, New Jersey
  • 4月12日20:00
    『パイレート・クイーン THE PIRATE QUEEN』
    HILTON THEATRE 213 West 42nd Street
  • 4月13日20:00
    『日陰でも 110度 110 IN THE SHADE』
    STUDIO 54 254 West 54th Street
  • 4月14日14:00
    『キューティ・ブロンド LEGALLY BLONDE』
    PALACE THEATRE 1564 Broadway
  • 4月14日20:00
    『オリヴァー・トゥイスト OLIVER TWIST』
    GERALD W. LYNCH THETATER 899 10th Avenue
  • 4月15日13:00
    『赤毛のアン ANNE OF GREEN GABLES』
    LUCILLE LORTEL THEATRE 121 Christopher Street
  • 4月15日15:00
    『カーテンズ CURTAINS』
    AL HIRSCHFELD THEATRE 302 West 45th Street
  • 4月15日19:00
    『ラヴミュージック LOVEMUSIK』
    BILTMORE THEATRE 261 West 47th Street
* * * * * * * * * *

 祈りが通じたのか(笑)、前回心配した『カーテンズ』も無事に生き延び、トニー賞の締め切りを前に出揃った春の新作を、なにはともあれ、ひと通り観てきた。
 ニューヨークは東京よりやや肌寒かったが、念のためにと用意したマフラーや手袋を使うほどでもなく、最終日の大雨以外は天候も安定していて助かった(もっとも、その大雨の雨量はニューヨークでは観測史上 1882年以来 2番目の多さだったとか!)。

 今回観たブロードウェイの新登場作品は、前記『カーテンズ』の他に、『パイレート・クイーン』『キューティ・ブロンド』『ラヴミュージック』、そして、期間限定リヴァイヴァル『日陰でも 110度』の 5本。あ、オンに移ってからの『グレイ・ガーテンズ』も今回初めて観たから、 6本か。
 一方、オフは新作が非常に少なく、おまけに、未見だった『ユダヤ人ブルックリンで育つ A JEW GROWS IN BROOKLYN』は窓口まで行ったら急に閉まったことがわかったりする始末。その分、終わる直前の『プロデューサーズ』に別れを告げたり、個人的にツボにはまった『カーテンズ』を観直したり、と、いつもは出来にくいオン作品再見の時間が生まれたのだが……。にもかかわらず、“帰ってきた”『レ・ミゼラブル LES MISERABLES』は、またまたパスしてしまいました(笑)。

 例によって、ブロードウェイの新作から、観た順に。
 『グレイ・ガーテンズ』は、予想通り、昨年 2月に観たオフ上演時と全く同じ。もっとも、細かい演出についてまでは自信がないが。違ったのは、こちらが、その間に元になったドキュメンタリー映画を DVDで観たことで、没落後の母娘の奇行に見える描き方が誇張でなかったことがわかって驚いた。苦味の勝った作品だが、重苦しくなる手前で留めて面白がらせる呼吸が見事、と再見して改めて思った。
 予想に反して半額チケットが出ていなかったのが『カーテンズ』。 2度観たのは、前述したように“ツボにはまった”からで、ツボの正体は『クレイジー・フォー・ユー CRAZY FOR YOU』との類似。ダンス場面いっぱいのノスタルジックなバックステージ・コメディで、スーザン・ストロマン Susan Stroman こそ参加していないが、スタッフ、キャストに関係者も多い。その 1人がカレン・ジエンバ Karen Ziemba だが、彼女が前作『ネヴァ・ゴナ・ダンス NEVER GONNA DANCE』の時と違って踊りまくるのも、うれしい要素。とはいえ、ヒットするかどうかは微妙。観たい人は急いだ方がいい。
 『パイレート・クイーン』は紛れもない失敗作。『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン MISS SAIGON』の脚本楽曲作者コンビ、ブーブリル&シェーンベルク Alain Boublil & Claude-Michel Schonberg が『リヴァーダンス RIVERDANCE』のチームと組んで作った、 16世紀アイルランドの女海賊を主人公とする作品だが、リヴァーダンス的ダンス場面以外に見どころがない。宝塚歌劇が翻訳上演をしよう等と考えないことを祈る。
 オードラ・マクドナルド Audra McDonald 主演の『日陰でも 110度』は、ラウンダバウト劇場製作のリヴァイヴァルらしい手堅い作り。プレヴュー初日ながら、すでに出来上がっていた。楽曲は『ファンタスティックス THE FANTASTICKS』のチーム、トム・ジョーンズ Tom Jones & ハーヴェイ・シュミット Harvey Schmidt。
 『キューティ・ブロンド』は、『ヘアスプレイ HAIRSPRAY』同様の非ミュージカル映画→舞台ミュージカル路線の作品で、同作で憎まれ役アンバーのオリジナル・キャストだったローラ・ベル・バンディ Laura Bell Bundy が主演。『ウェディング・シンガー THE WEDDING SINGER』『ハイ・フィデリティ HIGH FIDELITY』と、この路線(映画→舞台ミュージカル)の作品が立て続けにコケているので心配したが、これはイケるかも。と思うのは、『ヘアスプレイ』と同じく主人公(=ポジティヴな女の子)が魅力的だから。バンディもいきいき演じている。
 『ラヴミュージック』は、クルト・ヴァイル Kurt Weill とロッテ・レーニャ Lotte Lenya の物語をヴァイル作曲の楽曲で綴る作品。 2人の交わした書簡を元に作られたらしい(脚本/アルフレッド・アーリー Alfred Uhry)が、レーニャに比べると、ヴァイルは、その才能はともかく、人としてはあまり面白みがない。なので、 2人の関係に絞られた物語は、あまり盛り上がらない。レーニャ役ドナ・マーフィ Donna Murphy も健闘しているが、残念ながらレーニャの存在感を知る者の目にはもの足りなく映る。レーニャの歌うヴァイル楽曲集についてはこちらを。

 さて、残り 4作。『プロデューサーズ』以外は全て、オフの期間限定上演作品。
 メル・ブルックス Mel Brooks の次作『ヤング・フランケンシュタイン YOUNG FRANKENSTEIN』に後を譲るために幕を下ろすことになった『プロデューサーズ』は、相変わらず面白かった。が、最初の観劇記にも書いたように、楽曲の既聴感という点で、傑作とは言いがたい。その点、次作はどうだろう。
 直前になって予算不足のため開幕が危ぶまれたのが、ニュージャージーにあるペイパーミル・プレイハウスのリヴァイヴァル『略奪された七人の花嫁』。元が、空間的な広がりを生かした映画ミュージカルを舞台に持ち込んで失敗したブロードウェイ作品なだけに、展開がせわしなく、スケールが小さく見えるのは否めない。売り物のダンス・ナンバーも、ややアイディア不足か。でも、上演出来てホントによかった。
 タイムアウト誌を見てミュージカルだと知ったのが、『オリヴァー・トゥイスト』。と言っても、歌は、もっぱらア・カペラのコーラスで、時々、役者がヴァイオリン、変形テューバ、古い時代の手風琴(?)を演奏する。なので、印象は“音楽劇”。それも含めて、串田和美演出の自由劇場の舞台に近いものがある。僕は好きだが、好みの分かれるところではあるだろう。もちろん、ライオネル・バート Lionel Bart の『オリヴァー! OLIVER!』とは別物。
 『赤毛のアン』は、ルシル・ローテル劇場ならではの、子供も一緒に観られる 1幕もの。なので、ストーリーは超ダイジェストだが、要所はきちんと押さえてあり、セットも過不足なく、最終的には充分に満足感がある。もちろん役者もうまい。少人数でのミュージカル上演のお手本のような舞台。

 次回の渡米予定は 7月。目指すは、パティ・ルポン Patti LuPone の『ジプシー GYPSY』と、平成中村座だ。
 『グリース GREASE』のプレヴュー開始まではいられないのが残念だが、ま、 9月ぐらいまでは続いてくれるんじゃないでしょうか。

(4/23/2007)

Copyright ©2007 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro

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