[ゆけむり通信Vol.35]

8/29/1999
『ドンキー・ショウ THE DONKEY SHOW』


ディスコ版シェイクスピア劇?

 新聞には限定公演って書かれてたんだけど、まだ続いてるってことは好評なのか、『ドンキー・ショウ』
 70年代ブームに乗って登場したのがミエミエの“軽薄”なパフォーマンス・ショウ(と言っても、僕は“軽薄”が嫌いなわけじゃないんですが)。ま、ディスコに遊びに行って 25ドル(もちろん tkts ではその半額)で観られるショウとしては OK なんじゃないでしょうか。

 サブタイトルに、 A MIDSUMMER NIGHT'S DISCO とあることからわかるように、内容は『真夏の夜の夢 A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM』のディスコ版。だから“ドンキー”なんですね(意味がわからない人は原作本でも読んで調べてね)。
 登場するのは、ディスコのオーナー、その愛人である謎のディスコ・クイーン、その他、相思相愛だったり、すれ違ったてたりする恋人たち、などなど。そんな人たちが、往年のディスコ・ミュージック(DJによるレコード演奏)に乗って踊りながら、不思議なドラッグのせいで意外な相手に惚れてしまうという『真夏の夜の夢』をなぞった物語を演じる。
 ストーリーは単純化されているので、結局誰と誰とがくっつくのかってことにしか興味がいかないのだが、フロア中央にある 1メートルちょっとの高さのステージやフロアを見下ろす回廊のようになった 2階部分を縦横に使って、うまく目先を変えつつ、ライティングを駆使してお祭気分を盛り上げていく演出のせいで、飽きは来ない。
 実はその背景に、物語上及び演技上のジェンダー(性)の錯綜というテーマが隠されていて、それが面白かったりするのだが、そのことに作者(兼演出/ダイアン・ポーラス Diane Paulus、ランディ・ワイナー Randy Weiner)がどこまで意識的なのかはわからない。と言うのは、演出がそれほどていねいではないからだ。

 とりあえず、多くの観客にとっては、懐かしのディスコ・ヒットをバックに、サイケデリックな衣装や照明で繰り広げられる“おバカ”な大騒ぎパフォーマンス(言ってみれば『オースティン・パワーズ AUSTIN POWERS』系?)を、半ば参加しながら楽しむということが大切なのだと思う。それに応えるべく、出演者もクレイジーな感じで最後までテンション高く踊りまくる。
 ただ、ダンス力の高い人もけっこういて、その辺、ちゃんとした振付をすれば、もっと力のある舞台になったかもしれない。

 なお、チケットには座席番号のようなものが書いてありますが、座席は基本的にありません。
 それと、場所的にちょっと外れたところにあるので、女性は 1人では行かない方がいいかもしれません。もっとも、ディスコに 1人で行く物好きってのも(僕以外には)あまりいないかもしれませんが(笑)。

(10/23/1999)

Copyright ©1999 Masahiro‘Misoppa’ Mizuguchi

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