[ゆけむり通信Vol.28]

12/11/1997
『シカゴ CHICAGO』


ラインキングの抜けた穴

 『シカゴ』の観劇記をここで初めてご覧になる方は、先にこちらこちらをお読みいただければ、よりわかりやすいと思います。
 それを前提に、舞台の詳細については端折って書きますので、ご容赦を。

 4度目の『シカゴ』。過去3回はいずれも劇場が違ったが、今回はキャストが違う。
 前回報告した通り、主役の1人アン・ラインキング Ann Reinking が降板。代わってロキシー役に就いたのは、メリル・ヘナー Marilu Henner。
 舞台のみならず、映画や TV などでも活躍している人で、トーク・ショウの司会をしていたこともあり、「メリル」というタイトルの自伝はベスト・セラーになったらしい。

 結論から書けば、やはりラインキングの抜けた穴は埋まらなかった。
 もちろん、オリジナル・キャストというのは特別な存在で、その役を作り上げるわけだから強いイメージを残すのは当然。特にメインの役どころはそうだ。
 だが、そうしたこと以上に、この10年に1度というような充実した舞台にあってなお、ラインキングのダンスの力と存在感は際立っていたという事実がある。
 もちろんヘナーも、大きな見せ場がいくつもあるロキシー役を無難にこなして、それだけでも賞賛に値するのだが、それは『シカゴ』がすでにヒット作になっているから OK なのであって、彼女がオリジナルのロキシーだったら舞台自体がここまでの成功を収めたかどうか怪しい。
 それほどラインキングは素晴らしかった。

 ところで、上の写真は、こちらに載せた写真と同じ場所を写したものだが、ラインキング降板に合わせてこのように変更された。
 というのも、ここに掲げられていたメインの役者たちが次々に替わっていくからで、これを書いている時点で、ジェイムズ・ノートン James Naughton とジョエル・グレイ Joel Grey もすでに降板。プレイビルの表記で言えば、タイトル前に名前の来る役者4人の内3人が交替したことになる。
 後任の役者たちでどこまで高水準を維持できるか、楽しみではある。

 もっとも、『シカゴ』関係で僕がいちばん気になっているのは、ツアーでロキシーを演じているカレン・ジエンバ Karen Ziemba(『スティール・ピア STEEL PIER』)のこと。どこかでつかまえたいのだが。

 なお、オリジナル・キャストによる CD は輸入盤が出回っている。
 ダンスが圧倒的なこのミュージカル、楽曲もまた素晴らしいことがよくわかるので、見かけたら、ぜひどうぞ。

(1/15/1998)

前回の『シカゴ』観劇記はこちら、この次の『シカゴ』観劇記はこちらを。

Copyright ©1998 Masahiro‘Misoppa’Mizuguchi

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