Musicals ads at Shubert Alley 6/11/2014

[ゆけむり通信Vol.113]

6/10-6/14/2014


  • 6月10日19:00
    『ブロードウェイと銃弾 BULLETS OVER BROADWAY』
    ST. JAMES THEATRE 246 West 44th Street
  • 6月11日14:00
    『ジャスト・ジム・デイル JUST JIM DALE』
    LAURA PELS THEATRE(in Harold and Miriam Steinberg Center for Theatre) 111 West 46th Street
  • 6月11日20:00
    『ヘザーズ HEATHERS:The Musical』
    NEW WORLD STAGES/Stage 1 340 West 50th Street
  • 6月12日13:30
    『グリース GREASE』
    PAPERMILL PLAYHOUSE Millburn, New Jersey
  • 6月12日20:00
    『ヘドウィグ・アンド・ジ・アングリー・インチ HEDWIG AND THE ANGRY INCH』
    BELASCO THEATRE 111 West 44th Street
  • 6月13日20:00
    『ハラー・イフ・ヤ・ヒア・ミー HOLLER IF YA HEAR ME』
    PALACE THEATER THEATER 1564 Broadway
  • 6月14日14:30
    『フライ・バイ・ナイト FLY BY NIGHT』
    PLAYWRIGHTS HORIZONS 416 West 42nd Street
* * * * * * * * * *

 3月末に始まったプレヴューを観られなかった(値段が高くて観なかった)『ヘドウィグ・アンド・ジ・アングリー・インチ』と、トニー賞候補の締め切り後に始まった『ハラー・イフ・ヤ・ヒア・ミー』を主な目的として飛んだ6月のニューヨーク。
 とりあえずは、その辺りから。

 『ヘドウィグ・アンド・ジ・アングリー・インチ』は、派手だなあ、というのが第一印象(演出/マイケル・メイヤー Michael Mayer)。16年前のオフでの初演が、ハドソン川に近い場末な雰囲気さえする古いホテル(名前を変えて今も営業中の様子)の中にあった、ボールルームを改装した劇場での上演だったせいもあり、全体にモノクロームな色調の舞台として記憶に残っている。それが今回はブロードウェイの劇場に移り、さらに、装置も煌びやかで、オフ初演の薄暗い面影からは遠い。
 しかしながら、始まってしまえば、やはりヘドウィグ。毒を撒き散らしながら暴走していく(それに応じて、舞台上の色彩も次第にモノクローム度が増していく)。辛辣な客いじりも多い。設定は“今”にアップデイトされていて、時事ネタもけっこうある(アドリブか)。それらの要素が観客を巻き込んで、ある種の熱を生み出すのだから、特殊な設定ながら(各自ウィキペディア等で調べてください)、作品が抱える本質的なドラマが16年の時を超えて生きているのは間違いない。
 ではあるのだが、TVドラマで全米的な人気を得、トニー賞授賞式の司会も重ねて務めたニール・パトリック・ハリス Neil Patrick Harris を主役に据えたことと、開幕直後の装置の派手な印象とで、どこか“観光客向け”な感じがしたのも事実。
 もっとも、すでに映画化もされて、それなりの成功を収めている作品を改めてブロードウェイでやろうというのだから、商売っ気がない方がおかしい訳で、むしろ、この“毒”を観光客にも食わせよう、というぐらいの腹なのかもしれない。
 ハリスのスケジュールもあって、当初は8月10日までの限定公演の予定だったが、当たったのだろう、その後、主演者を替えながら続演中。
 ちなみに、トニーで助演女優賞を獲ったレナ・ホール Lena Hall には、特に強い印象は抱かなかった。

 『ハラー・イフ・ヤ・ヒア・ミー』は、今は亡きギャングスタ・ラップの雄、トゥパック・シャクール Tupac Shakur の楽曲を使ったミュージカル。
 ストーリーもトゥパックの半生からインスパイアされているようで、黒人の若者達の出口のない抗争の日々と、必然的に生まれる悲劇が描かれ、最終的には救いの道を求める内容になっている。しかし、脚本(トッド・クレイドラー Todd Kreidler)に厚みがないため、展開に意外性がなく、全体にやや観念的。演出(ケニー・リオン Kenny Leon)にも、それを救うだけのアイディアはなかった。結果、正式オープン後ひと月で閉まった。
 主演のサウル・ウィリアムズ Saul Williams のラップは聴き応えがあったのだが……。
 蛇足ながら、この上演で一番驚いたのは、通常の客席のオーケストラ部分(1階席)を使わず、舞台からメザニン(2階席)に繋げる形で傾斜のきつい客席を通常の客席の上に仮設してあったこと。つまり、座席の数を減らして(おそらく)一体感の強い観客席に仕立ててあったのだ。だったら、オフの劇場で上演すればよかったのでは? とか、まあ、いろいろと疑問の多い公演だった。

 『ブロードウェイと銃弾』は、前回のプレヴュー公演で、大女優役のマリン・メイズィ Marin Mazzie が代役(ジャネット・ディッキンソン Janet Dickinson)だったのと、途中で転換中の装置の不調で2度中断するアクシデントがあったこともあり、再見した。
 無事に観ることの出来たマリン・メイズィは、2年前のオフでの『キャリー CARRIE』とは打って変わった華やかな役だが、往年の“華”が実際に薄らいでいる感じがして……。その辺り、盛りを過ぎた大女優という役柄のせいなのかどうか微妙なところ。
 さすがに今回は装置の転換も順調だったが、物足りない感は前回同様。ホットドッグを使った下ネタのギャグも含め、サーヴィス精神は旺盛なのだが、決定的なショウ場面というものがなく、全てが平均点な印象。
 そんなこんなで、結局、8月24日に幕を下ろした。

 以上、第1次アップでした。

(10/6/2014)

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