The Rascals in RICHARD RODGERS THEATRE 4/27/2013

[ゆけむり通信Vol.107]

4/25-4/28/2013


  • 4月25日19:00
    『キンキー・ブーツ KINKY BOOTS』
    AL HIRSCHFELD THEATRE 302 West 45th Street
  • 4月26日20:00
    『ヒア・ライズ・ラヴ HERE LIES LOVE』
    LuESTHER HALL at PUBLIC THEATER 425 Lafayette Street
  • 4月27日20:00
    『ラスカルズ:ワンス・アポン・ア・ドリーム The Rascals:ONCE UPON A DREAM』
    RICHARD RODGERS THEATRE 226 West 46th Street
  • 4月28日14:00
    『ジキル&ハイド JEKYLL & HYDE』
    MARQUIS THEATRE 1535 Broadway
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 4月のニューヨーク。2か月連続で訪れた理由は、“春”の新登場ミュージカル最後の1本、『ジキル&ハイド』と、オフの『ヒア・ライズ・ラヴ』を観るため。でもあるが、実のところ、東京スカパラダイスオーケストラのニューヨーク公演と、ブロードウェイの劇場でやるものの、事実上、ラスカルズ The Rascals の再結成ライヴである『ラスカルズ ワンス・アポン・ア・ドリーム』を観るため(ちなみに、上掲の舞台写真は出演者のススメにより撮影しています)。
 というわけで、かなり変則の観劇になり、本数も、かなり少なめ。

 とりあえず、第1次アップはリストのみ、で。

(7/23/2013)

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 『ジキル&ハイド』初演は97年5月に観ていて、 [好みではないがオススメ] と妙な褒め方をしている。もう少し詳しい部分を引用すると、 [好みは別にして、確実に記憶に残る楽曲をここぞというところで繰り出してくるのは見事。] となる。ちなみに、どんな言い回しにせよ、フランク・ワイルドホーン(初演評ではウィルドーンと誤って表記) Frank Wildhorn(作曲)の作品を褒めたのは後にも先にも、この時だけ(作詞・脚本はレズリー・ブリカッス Leslie Bricusse。思えば彼の功績だったのかも)。いずれにせよ、僕の中では『ジキル&ハイド』は、“ハズさない”作品として記憶されていた。
 で、21年ぶりにブロードウェイに登場した新版やいかに、だが、これが物足りない印象。当初から期間限定公演として始まったが(4月5日にプレヴュー開始、18日に正式オープン)、予定(6月30日)より1か月半早い5月12日に幕を下ろしたのは、やはりウケが悪かったのだろう。
 今回のリヴァイヴァルの目玉は、カナダ出身の歌手として知られるデボラ・コックス Deborah Cox と、『ロック・オブ・エイジズ ROCK OF AGES』でトニーの主演男優賞にノミネートされた「アメリカン・アイドル」出身の俳優にして歌手コンスタンティン・マルーリス Constantine Maroulis の共演。それに尽きる。コックスの歌は、さすがに聴かせた。が、ジェフ・カルホーン Jeff Calhoun の演出は、この人の常で、そつなくまとめるが凡庸。初演の最大の見どころ(聴きどころ)だった、特殊効果を使わないジキルとハイドの葛藤(連続変身)場面も、マルーリスの力量不足もあると思うが、なんだか、あっさりしていた。  “ハズさない”作品とはいえ、役者と演出の力がなければ成り立たないのだ、と、当たり前のことを再認識したしだい。

 『ヒア・ライズ・ラヴ』は、トーキング・ヘッズ Talking Heads のデイヴィッド・バーン David Byrne が原案・作曲(ファットボーイ・スリム Fatboy Slim と共同)・作詞を手がけたミュージカルで、フィリピン大統領夫人だったイメルダ・マルコス Imelda Marcos の半生を題材にしている。ちなみに、楽曲はブックレット付きCDとして2010年に発表されていて、日本盤も出ている。ひと言で言えば、ダンサブルな“クラブ・ミュージック”。
 その楽曲群を作った時点で、こうした演劇化が考えられていたようで、その時の構想通り、クラブ形式の劇場での上演となった。すなわち、座席のない長方形のフロアに客を入れ、両端に一段高く設営された舞台と、それをつなぐ複数の可動式の台の上で演技を行なう。そんなわけで、動く舞台に合わせて客は流動的にフロアを移動していく。これを、歴史に翻弄される民衆の暗喩、と考えるのは穿ちすぎか。
 その民衆を翻弄することになるイメルダもまた、激しく歴史に翻弄される。その翻弄の大元がアメリカだった、ということが観ている内に浮かび上がる。そうした認識がバーンの創作動機かも。
 楽曲の素晴らしさとアジア系俳優たちの熱演で、あっという間の90分。クライマックスは亡命していたアキノが帰国した瞬間の飛行場での暗殺。そう言えばそうだった、と戦慄。歴史は放っておくと記憶から消えていく。その意味でも、意義深い公演だった。

 『ラスカルズ:ワンス・アポン・ア・ドリーム』は、上述したように、オリジナル・ラスカルズの再結成ライヴ。
 演劇的なのは、演奏の合間のMCの代わりに、録画されたバンド・メンバーのモノローグや役者による再現フィルムが背景に映し出されて、バンドの歴史が浮かび上がるところ。やはり録画で、ナレーターとして、TVで有名なヴィンセント・パストア Vincent Pastore も登場してショウ全体を仕切る。
 こうした仕掛けが功を奏して、懐古的なファンの集いにならず、現役感たっぷりのイキのいいバンドのショウになった。観られてよかった。

 『キンキー・ブーツ』は、前月の感動を再度味わうために。さすがに2か月連続で来ると、こういう余裕もある。
 で、もちろん、よかった。その後トニーでミュージカル作品賞を獲ったのは、ご承知の通り。

 以上、第2次アップ終了。

(9/27/2013)

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