LES MISERABLES Film's Ad on Broadway 11/22/2012

[ゆけむり通信Vol.105]

11/20-11/25/2012


  • 11月20日19:00
    『アニー ANNIE』
    PALACE THEATRE 1564 Broadway
  • 11月21日14:00
    『クリスマス・ストーリー A CHRISTMAS STORY』
    LUNT-FONTANNE THEATRE 205 West 46th Street
  • 11月21日20:00
    『エドウィン・ドルードの謎 THE MYSTERY OF EDWIN DROOD』
    STUDIO 54 254 West 54th Street
  • 11月22日14:00
    『クリスマス・スペクタキュラー THE RADIO CITY CHRISTMAS SPECTACULAR』
    RADIO CITY MUSIC HALL 1260 Avenue of the Americas
  • 11月22日20:00
    『シカゴ CHICAGO』
    AMBASSADOR THEATRE 215 West 49th Street
  • 11月23日14:30
    『フォーエヴァー・ダスティ FOREVER DUSTY』
    NEW WORLD STAGES(Stage 5) 340 West 50th Street
  • 11月23日20:00
    『南北戦争のクリスマス A CIVIL WAR CHRISTMAS』
    NEW YORK THEATRE WORKSHOP 79 East 4th Street
  • 11月24日13:00
    『ジャイアンツ GIANT』
    NEWMAN THEATER at PUBLIC THEATER 425 Lafayette Street
  • 11月24日20:00
    『スキャンダラス:エイミー・センプル・マクファーソンの人生と試練 SCANDALOUS:The Life and Trials of Aimee Semple McPherson』
    NEIL SIMON THEATRE 250 West 52nd Street
  • 11月25日15:00
    『親父さんと欠けていく月 THE OLD MAN AND THE OLD MOON』
    GYM at JUDSON 243 Thompson Street
  • 11月25日19:30
    『裸 BARE』
    NEW WORLD STAGES(Stage 4) 340 West 50th Street
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 ブロードウェイ秋の新作ミュージカルが出揃ったので、ホリデイ・シーズン突入直前、11月のニューヨークに飛んだ。
 まだ寒さは厳しくなかったが、この時期は感謝祭前後で上演スケジュールが変則になるので注意が必要(ちなみに大晦日前後も)。と言うのも、感謝祭当日の公演を休みにする劇場が多く、その分をその前後の昼公演等に振り替えるからだ。今回は僕も、感謝祭当日のチケットを確保してあった『スキャンダラス』の予定が急遽変更されて、予約が取り消されていることに渡米直前に気づく、という危ないめにあった。ご用心あれ。

 というわけで、まずはその、ブロードウェイ秋の新登場作から、観た順に。

 『アニー』をブロードウェイで初めて観たのは……と調べたら、1997年5月28日、もう15年6か月も前だ。その時の観劇記はこちら
 感想は今回も変わらない。脚本が粗い。ことに第2幕。もうひと捻り欲しいところだ。まあ、今や、安心して観られるファミリー向けミュージカルの定番、ということなのだろうが。
 悪役ミス・ハニガン役は、3年前の『プロミセス、プロミセス PROMISES, PROMISES』でトニー賞助演女優賞を獲ったケイティ・フィネラン Katie Finneran。

 “季節モノ”だと思って期待せずに観たら、とてもよく出来ていたのが『クリスマス・ストーリー』。同名映画(1983年)の舞台ミュージカル化。
 老年にさしかかる主人公が幸せだった少年時代を振り返るという構成で、時は1940年。家族は、凝り性でエキセントリックなところのある父、ユーモラスな母、小動物のような幼い弟。
 話のポイントは2点。主人公が、オモチャの(と言っても高価な)ライフルをクリスマスに買ってもらえるか、と、学校の悪ガキの横暴に対抗出来るか。その底に、人生の教訓と家族への愛情が表わされていたりするのだが、観ていて面白いのは、父親と主人公の妄想(共に妄想癖がある)が舞台上に現出するところ。叶いそうにない願いが次々に実現する妄想が、いちいち派手なショウ場面になっていて大いに楽しませてくれる。
 もう1つ、本筋とは無縁ながら、母親と弟の、飼い主対ペットのようなやりとりも見逃せない。脈絡なく家具の下に潜り込んだりする弟の絶え間ない動きは、とても脚本に書かれているとは思われない細かなものだが、間違いなく脚本通りに動いている証拠に、対応する母親のギャグとのタイミングがぴったり。驚くべき演技だ。
 主人公(少年時代)役ジョニー・レイブ Johnny Rabe、父役ジョン・ボルトン John Bolton、母役エリン・ディリィ Erin Dilly、弟役ザック・バラード Zac Ballard。

 『エドウィン・ドルードの謎』は、音楽好きにはルパート・ホルムズ Rupert Holmes が楽曲を(ちなみに脚本と編曲も)書いたミュージカルとして知られている(はず)。初演は1985年暮れにオープンして1年半ほどのロングラン。それ以来のブロードウェイでのリヴァイヴァル(演出/スコット・エリス Scott Ellis)。
 原作は、チャールズ・ディケンズ Charles Dickens 晩年の同名小説で、未完のため作中の殺人事件の真相が不明のまま。まさにミステリーなわけだが、そこを逆手にとって、この舞台版は、毎公演結末を変えるという趣向に出た。具体的には、結末の前に客席に向って「誰を犯人にしたいか」を問う。決め手は拍手の多さ。ここで生きてくるのが、作品全体をミュージック・ホールの演目とした設定。出てくる役者たちは、幕開きから、本筋と関係なく自分の人気取りに走る。それもこれも、ここで“おいしい”犯人役を射止めるためなのだ。
 こうした入れ子構造(しかもイギリスの大衆色濃厚)が、原作の諧謔性をコミカルに色づける。で、観客の目は、もっぱら、役者の“芸”合戦に注がれる仕組みになっている。そこが、この舞台の楽しさ。
 芸を競い合うのは、ウィル・チェイス Will Chase、ステファニー・J・ブロック Stephanie J. Block、グレッグ・エデルマン Gregg Edelman、ジム・ノートン Jim Norton、そしてチタ・リヴェラ Chita Rivera といった面々。永遠のダンサーチタは、アンサンブルと共に“悪夢のダンス”を見事に踊る。

 『スキャンダラス:エイミー・センプル・マクファーソンの人生と試練』は、1890年から1944年まで生きた実在の宣教師シスター・エイミー(本名エイミー・センプル・マクファーソン Aimee Semple McPherson)の半生を描いた新作。ラジオを通じての宣教活動で多くの信者を集めた人らしく、大規模メディアを利用した現在のアメリカの布教方法の先駆け、という意味で関心を持たれているところもあるのかも。いずれにしても毀誉褒貶に満ちた人生だったようで、そんな彼女の情熱的な生き方を偏見抜きに描こうとした、というのが、ざっくりとした内容(ちなみに、エイミーの創設した教団もプロデューサーに加わっている)。
 とにもかくにも、主演のキャロリー・カーメロ Carolee Carmello がフル稼働。ちょうど、『ベイビー・イッツ・ユー! BABY IT'S YOU!』でのベス・リーヴェル Beth Leavel に似た印象。決め手に欠ける舞台を渾身の力で支えきる。
 が、奮闘空しく、31回のプレヴュー+29回の本公演で幕を下ろした。教団のあるロスアンジェルスだと少しはウケるのだろうか。

 以上、第2次更新でした。オフ作は追って。

(12/30/2012)
(last revised 5/30/2013)

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