『マラッカ MALACCA』
島田歌穂(東芝 EMI)

歌の向こうに見える幻の舞台

 不覚。こんな素晴らしいアルバムの存在を知らずにいたなんて(昨年 11月発売)。
 先々週買って以来、朝に夕に聴き続け、聴き惚れてしまって、これについて書かずにいられなくなってしまった。これで、また『バンド・ワゴン THE BAND WAGON』ブロードウェイ・オリジナル・キャスト盤(?)は後回しだ(笑)。
 でも、みんなもう知ってるんだろうか、この名盤(!)。ならいいんだけど。

 ひと言で言えば、エイジアン(&ブラジリアン&ラテン)・ポップスの力を借りた豊潤なジャパニーズ・ポップス。核心にあるのは、ヴァーチャルな郷愁。
 プロデューサー久保田麻琴のサウンド・プロダクションがまず素晴らしく、それに応えるように島田歌穂の歌も深い表情を持つ。ミュージカル女優としてのスケールに匹敵する歌手としての魅力を、ようやくレコーディングで結実させたんじゃないだろうか。

 音楽として素晴らしいから、それだけで充分なのだが、アルバム・タイトル『マラッカ』をキーワードに描き出される歌世界のイメージがとてもドラマティックで、僕などは、どうしてもその向こうにミュージカルの舞台を思い浮かべてしまう。と言うより、このアルバムをベースにして新しいミュージカルを作ろうとは誰も思わないのだろうか、と不思議になる。
 もったいないので具体的なアイディアは言わないが(ってほどのもんでもないですけど)、 『香港ラプソディー』以上に面白い、アジアを舞台にした日本製ミュージカルが出来上がると思うのだが。
 タイトルは『マラッカサブランカ』(笑)。どうでしょう。

 なお、予定通りなら、彼女のニュー・アルバムは久保田麻琴プロデュースで 11月に発売される。タイトルは『'99ロビン』(!)。

 島田歌穂公式サイトは、こちら

(8/30/1998)

Copyright ©1998 Masahiro‘Misoppa’Mizuguchi

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