『サムシングス カミング』
島田歌穂(ファブコミュニケーションズ)

とりあえず“第 1弾”、ということで

 島田歌穂のニュー・(ミニ・)アルバムは、初のミュージカル楽曲集。
 プロデューサーでもある島健の手がけたアイディアにあふれたアレンジが、本来の印象を生かしつつ原曲の表情を豊かにしているのが、まず楽しく、そのアレンジに乗り、意外なほどに(と言っては失礼か)多彩な声質を駆使して自在に舞う島田歌穂の歌が、チャーミングで美しい。
 タイトルの『サムシングス カミング』は、この夏出演していた『ウエストサイド物語 WEST SIDE STORY』中の楽曲名から採られている。
 収録曲は以下の通り。

 「Something's Coming」(『ウエストサイド物語』
 「I Could Have Danced All Night」(『マイ・フェア・レディ MY FAIR LADY』
 「That's Entertainment」(『バンド・ワゴン THE BAND WAGON』
 「Somewhere」(『ウエストサイド物語』
 「Singin' In The Rain」(『雨に唄えば SINGIN' IN THE RAIN』
 「Memory」(『キャッツ CATS』

 日本を代表する(この形容句は僕の中では“世界に通用する”より上)ミュージカル女優である島田歌穂にとって、これが“初”のミュージカル楽曲集だということが意外だが、彼女が舞台で歌った楽曲が選ばれていないというのも、意外と言えば意外(『ウエストサイド物語』からの 2曲もマリア役だった彼女の持ち歌ではない)。しかし、どうやら、その辺にアルバム制作の意図の一端がありそうだ。
 聴き手の期待する楽曲ではなく、自分たちの好きなミュージカルの楽曲を楽しみながらレコーディングする。その楽しみをミュージカル・ファンと分かち合いたい。
 作り手である島田歌穂×島健の、そんな気持ちが伝わってくる気がする、素敵なアルバムだ。

 そんな推測をしておいて、こんなことを期待するのは矛盾しているのだが(笑)、願わくば、次回、いや次々回でもけっこう、日本のミュージカルの楽曲を採り上げてもらえないだろうか。出来れば、『香港ラプソディー』の「China Rain」を。
 いずれにしろ、ミュージカル楽曲集のアルバムは、続きがあるはず。それを前提にすればこその“ミニ”・アルバムだと考えて、とりあえずは、もっと聴きたい気持ちを納得させよう。
 第 2弾、第 3弾が待ち遠しい。

(11/6/2004)

Copyright ©2004 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro

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