『ミスター・トップ・ハット MR. TOP HAT』
フレッド・アステア Fred Astaire(ユニバーサル)

アステアの限定リイシュー盤

 なんでも、日本の音楽の世界では“アコースティック・スウィング”がブームなんだそうで。
 その流れに乗って、なぜかフレッド・アステアの 1956年のアルバム『ミスター・トップ・ハット』が、“ユニバーサル・アコースティック・スウィング・コレクション”の 1枚として、日本で世界初 CD化。
 収録曲は以下の通り。

  1. Top Hat White Tie And Tails
  2. Isn't This A Lovely Day
  3. Let's Call The Whole Thing Off
  4. A Fine Romance
  5. Change Partners
  6. Steppin' Out With My Baby
  7. They Can't Take That Away From Me
  8. I've Got My Eyes On You
  9. They All Laughed
  10. A Foggy Day
  11. 'S Wonderful
  12. Night And Day
  13. I Won't Dance
  14. Slow Dance
  15. Fast Dance

 バック・ミュージシャンはオスカー・ピーターソン・トリオ Oscar Peterson Trio +アルファ、レーベルはヴァーヴ Verve。
 ――と聞けば、熱心なアステア・ファンならおわかりだろう。そう、元々は 1953年に LP4枚組として出たという(現行 CD2枚組)『ザ・フレッド・アステア・ストーリー THE FRED ASTAIRE STORY』と同じ音源。早い話、 38曲入っていたそのアルバム・セットから上記の 15曲をピックアップした編集盤が、『ミスター・トップ・ハット』というわけだ。
 そんな既出の音源しか収録していない編集盤を、なぜここで採り上げるのか。
 ディジタル・リマスター処理、紙ジャケット、という最近のリイシューの“ウリ”をきちんと押さえている、というのが理由の 1つなのだが、もう 1つ、これが重要。メーカーの言葉を借りると、「初回プレス完全限定盤」なのだ。買い逃すと 2度とお目にかかれない。
 というわけで、ノセられて買いました(笑)。

 ところで内容だが、ピアノ、ベース、ギター、ドラムスにトランペット&テナー・サックスが加わったシンプルなバンドをバックにアステアがリラックスした歌を聞かせ、曲によってはタップも入る、という楽しいもの。ちなみに、最後の 2曲は歌なしのタップとバンドの競演。アステアならではの趣向だ。
 なお、ライナーノーツの曲目紹介には 2か所誤りがある。
 1). 「I've Got My Eyes On You」が使われた映画の邦題は、『踊る大紐育(ニューヨーク)』ではなく、『踊るニュウ・ヨーク』(最もよく犯す間違い)。
 2). 「Night And Day」が使われた映画の邦題が『コンチネンタル』ってのはいいのだが、わざわざカッコして原題を“(ゲイ・ディヴォース)”って書いてあるのは間違い。舞台版のタイトル『GAY DIVORCE』(陽気な離婚)が、映画化に際して(つまり全国区になるに際して)、世論をはばかって(「離婚を奨励するのか!」)、『THE GAY DIVORCEE』(陽気な離婚者)となったのは有名な話。
 以上、アステア・ファンのみなさんには無用の説明でした。

 次回は、ぜひ、『ザ・フレッド・アステア・ストーリー』全曲のリマスター発売を。

 ……ところで、今年って『バンド・ワゴン THE BAND WAGON』公開 50周年なんだけど、『雨に唄えば SINGIN' IN THE RAIN』同様“アニヴァーサリー・ヴァージョン”の DVD、出るのかなあ。こちらで書いた未公開シーン、観たいなあ……。

(4/18/2003)

Copyright ©2003 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro

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