『キャッツ CATS』
『レ・ミゼラブル LES MISERABLES』
『オペラ座の怪人 THE PHANTOM OF THE OPERA』
『ミス・サイゴン MISS SAIGON』
『美女と野獣 BEAUTY AND THE BEAST』
『スモーキー・ジョーズ・カフェ SMOKEY JOE'S CAFE』


ブロードウェイ・ロングラン・ミュージカルズ

 ブロードウェイでロングラン中(2/14/1999現在)で、なおかつ僕が観たのがこのウェブサイトのオープン前であるために観劇記をアップしていない 6作品の感想を簡単に書いておきます。すでに評価の定まったものばかりですが、未見の方はブロードウェイでの観劇作品選びの参考意見としてお読みください(翻訳公演を観て、観たつもりになってちゃいけませんぜ)。
 オープン時期の古い順に並んでいます。半額チケット情報は 2/14/1999現在のものです。

* * * * * * * * * *

『キャッツ』

6/3, 7/21, 7/25/1991
(WINTER GARDEN THEATRE, Broadway)

 アンドリュー・ロイド・ウェバー Andrew Lloyd Webber が作曲を担当したミュージカルの中では珍しく好きな作品(笑)。
 ストーリーはあるにはあるが、基本的な構成はレヴュー。各場面の芸を楽しむように出来ているのが、なによりいい。見応えのあるダンスも多いし。ウェバーの書いたメロディも、T・S・エリオット T.S.Eliot のリズミカルな詞を得て比較的楽しく、ハッタリも少ない。
 そういう目で観ると、名高き「Memory」は、 [グリザベラ猫に扮するベティ・バックリーの歌う“グリザベラ”“メモリー”といった美しい曲が、このミュージカルを一流の作品に仕立てている](大平和登「ブロードウェイ 2」)という意見にはうなずけるものの、初めて観た時には場違いな気がした。
 劇場全体を猫の小宇宙に見立てたオモチャ箱的装置、集団タップからクラシック・バレエまで多様な振付で繰り出されるダンス、個性あふれる猫たちの仕草など、視覚的に面白いので、言葉がわからなくても、また子供でも充分楽しめる。

 シーズンに関係なく半額チケットが出ている。ベストな席は、フロント・メザニン中央か。

 2000年 9月 10日、クローズ。


『レ・ミゼラブル』

5/13/1988
(BROADWAY THEATRE, Broadway)→IMPERIAL THEATRE

 僕が観たのは、今は『ミス・サイゴン』を上演中のブロードウェイ劇場で。インペリアル劇場に移ってからは観ていない。

 ほとんどのセリフが歌になっているオペラ的なミュージカルで(ポップ・オペラと呼ばれることもある)、楽曲は充実している。が、ダンス好きにはもの足りない。
 第一印象は“グルグル回るミュージカル”(笑)。ヴィクトル・ユゴー Victor Hugo の書いた同名大河小説の“超”ダイジェストなので、話を知らないとついていかれないかもしれないが(今はどうだか知らないが、僕が観た時のプレイビルには詳しいストーリーが書いてあった)、逆にある程度知っていれば、ドラマとしておいしいところだけをテンポよくつないでいるわけで、飽きることはない。
 見どころは主要登場人物たちの歌と、スペクタクルな効果の装置。特に、学生たちが築くバリケードと、クライマックスで悪役(?)ジャベールが落ちていく橋の装置は印象に残る。

 最近では半額チケットもときどき出ているようだ。

 2003年 5月 18日、クローズ。


『オペラ座の怪人』

5/23/1990, 10/18/1995
(MAJESTIC THEATRE, Broadway)

 アンドリュー・ロイド・ウェバーの最高傑作と言われるが、この作品を成功に導いた最大の功労者はハロルド・プリンス Harold Prince だと思う。半ば冗談のように大袈裟な装置を駆使してゴシック・ロマンの世界を舞台上に現出させたのは、プリンスの、スケールの大きな、そして遊び心に満ちた演出力に他ならない。
 とは言え、ウェバーの書いたメロディも、ハッタリがいい方に作用した印象的なものが多く、刷り込み効果も高いため、脳裏に刻みつけられる。
 『レ・ミゼラブル』同様ほとんどダンス・シーンがなく、第 2幕冒頭の「Masquerade」でダンス好きはわずかに慰められる程度だが、スペクタクル・ミュージカルとしての完成度は高い。

 半額チケットが出ることはない。連番でなければ当日でも窓口でチケットが手に入るようだが、いい席は望み薄。
 ……という人気作だったが、最近では半額チケットもときどき出ているようだ。


『ミス・サイゴン』

5/26/1992
(BROADWAY THEATRE, Broadway)

 僕は、他の人が「観たい」という限りにおいては口を挟まない主義だが、ブロードウェイで上演中のミュージカルで唯一、「観ない方がいい」と言いたくてたまらなくなる作品(笑)。
 最大の理由は、人物造形がステレオタイプで薄っぺらいこと、そして脚本がお涙ちょうだいで安っぽいことにあるが、ミュージカルとしての見せ場も少ない。 1人魅力的なキャラクターを与えられたポン引き、エンジニアによるショウ場面「The American Dream」の濃さだけが救い。ヴェトナムとアメリカを舞台にした東洋人蔑視のミュージカルをフランス人とイギリス人が作ったというのも、なんか後味が悪い。

 観るなら半額チケットで(笑)。オリジナル・キャストのリア・サロンガ Lea Salonga が戻っている今(2/14/1999)はわからないが、たぶん手に入るでしょう。

 2001年 1月 28日、クローズ。


『美女と野獣』

5/6/1994, 3/22/1995
(PALACE THEATRE, Broadway)→LUNT-FONTANNE THEATRE

 映画版はミュージカル映画の楽しさをこれでもかと詰め込んで素晴らしかったが、舞台版は映画版をなぞったに過ぎない、ディズニーランドのアトラクション級のスケールの小さい作品。質の高かったオリジナル・キャストの役者陣をもってしても、ブロードウェイ・ミュージカルとしてはチープ、という印象をぬぐえない。
 が、それを承知で観るなら、見せ場は多いので“それなりに”は楽しめる。お子様向け、というべきか。

 もちろん半額チケットがオススメだが、週末やマティネーには出ないことがあるかも。

 2007年 7月 29日、クローズ。


『スモーキー・ジョーズ・カフェ』

3/25/1995
(VIRGINIA THEATRE, Broadway)

 [ロックンロール史上、もっとも重要なプロデューサー/ソングライター・チーム](萩原健太) と言われるジェリー・リーバー&マイク・ストーラー Jerry Leiber & Mike Stoller の書いた楽曲をズラリと並べたショウ。
 9人の出演者が、クァルテットをベースに、ソロ、デュオから全員のコーラスまで様々に組み合わせを変えながら歌い継いでいく。ダンスらしいダンスはほとんどない。
 ジェリー・ザックス Jerry Zaks の演出はキレがいいが、“ミュージカルにはそれほど興味のないアメリカ人観光客向けショウ”の域は出ない。逆に言うと、“ミュージカルにはそれほど興味のない日本人観光客”でも楽しめる可能性は高い。

 半額チケットが必ず出ている。

 2000年 1月 16日、クローズ。

(2/14/1999)
(revised 5/19/2003)

Copyright ©1999-2003 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro

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