エーデルワイスで涙のお別れ

 『ヴィクター/ヴィクトリア VICTOR/VICTORIA』からジュリー・アンドリュース Julie Andrewsが降り、明日6月10日からラクエル・ウェルチ Raquel Welchが登場することになった。
 当初3日に予定されていたウェルチの登板が1週間延びた理由はわからないが、アンドリュースはミュージカル女優としてすでに伝説の領域に半歩踏み入れている人だから、彼女の降板により客足が落ちるのは、後がまが誰であれ(ライザ・ミネリ Liza Minnelliを除く)間違いないだろう。
 聞くところによると、アンドリュース千秋楽のはずだった1日のチケットを予約して日本からやって来た人たちもいたらしいが、その人たちが泣いて悔しがるようなニュースがプレイビル・オンラインに出ていたので紹介する。

 6月8日日曜のマチネーを終えたジュリー・アンドリュースは、観客に最後のあいさつをした。そこでまあ、いろいろやりとりがあって、最後に彼女は「エーデルワイス Edelwiess」をお別れの歌として歌い始めた。
 ここまでは予定通りだろう。
 ところが、その後に、アンドリュースが知らされていない計画が待っていた。

 『ヴィクター/ヴィクトリア』を上演しているマーキース劇場が入っているマリオット・マーキース・ホテルのちょうど裏手に、アーヴィング・バーリン Irving Berlinが創設したことで知られるミュージック・ボックスという小さな劇場がある。
 ここで上演されているのは『バリモア BARRYMORE』という一人芝居だが、その主演男優がマチネーを終えて、こっそりマーキースの楽屋を訪れていた。
 アンドリュースが歌い始めると、あらかじめオーストリアの軍服に着替えていた彼は静かに舞台に出ていった。
 どよめきと万雷の拍手。
 彼とは誰あろうクリストファー・プラマー Christopher Plummer。32年ぶりのトラップ大佐の帰還だ。

 その姿を見たアンドリュースは感涙にむせんだというが、観客はもっとうれしかっただろう。映画のトラップ夫妻が目の前で「エーデルワイス」を歌ってくれるなんて。

 そんな幸運に巡り会うためにも、ブロードウェイ通いはやめられません。

 だからというわけではなく、今度は公用で明日から再びニューヨーク。まだ、報告を書き上げていないミュージカルが残っているというのに!
 3泊 5日だし、公用なので、何本観られるか(って最初からその気か)わかりませんが、とりあえず22日でアン・ラインキング Ann Reinkingが降りる『シカゴ CHICAGO』のチケットは先日買って帰りました(ってやっぱりその気だ)。

 そんなわけで、ゆけむり通信Vol.25の完成は来週に持ち越しです。申し訳ない。

(6/9/1997)

Copyright ©1997 Masahiro‘Misoppa’Mizuguchi

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