15-16年トニー賞予想

 現地時間5月3日の朝に発表されたトニー賞ノミネーションに基いて、ミュージカル関連の受賞予想と僕の投票を発表します。
 過去 18シーズンの予想結果はこちら→97-98年98-99年99-00年00-01年01-02年02-03年03-04年04-05年05-06年06-07年07-08年08-09年09-10年10-11年11-12年12-13年13-14年14-15年

 このトニー賞受賞予想は、サイトの開設から間もない頃に僕の観劇記を読んでいただこうという策略で始めました。今でも、ざっくりした感想ですが、書いてありますので読んでみてください(下の候補作タイトル部分にリンクを貼ってあります)。未アップの分(3月から4月にかけて観た分)も、追って近々。

 毎度のお題目ですが、トニー賞は興行成績に直接影響が出るのでプロダクション側にとっては重要だけれども、選考には政治的判断による偏りもあるので、観客である我々にとっては“話のタネ”に過ぎません。必ずしも観劇作品選びの基準にはならないことを心に留めておいてください。

 審査員の投票予想に、僕の投票にを付けました。例年通り、一覧のタイトル、人名は原語表記です。

 作品別受賞数は次の通り。タイトル右の数字はノミネーション数(▲はリヴァイヴァル)。

 このシーズンに登場してノミネーションに名前の挙がらなかった作品は、『AMAZING GRACE』『ALLEGIANCE』の2本。
 なお、昨シーズンに引き続き音響デザイン賞はありません。


  • 作品賞
     『BRIGHT STAR』
     『HAMILTON』
     『SCHOOL OF ROCK The Musical』
     『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
     『WAITRESS』
  • リヴァイヴァル作品賞
     『THE COLOR PURPLE』
     『FIDDLER ON THE ROOF』
     『SHE LOVES ME』
     『SPRING AWAKENING』
  • 主演女優賞
     Laura Benanti 『SHE LOVES ME』
     Carmen Cusack 『BRIGHT STAR』
     Cynthia Erivo 『THE COLOR PURPLE』
     Jessie Mueller 『WAITRESS』
     Phillipa Soo 『HAMILTON』
  • 主演男優賞
     Alex Brightman 『SCHOOL OF ROCK The Musical』
     Danny Burstein 『FIDDLER ON THE ROOF』
     Zachary Levi 『SHE LOVES ME』
     Lin-Manuel Miranda 『HAMILTON』
     Leslie Odom, Jr. 『HAMILTON』
  • 助演女優賞
     Danielle Brooks 『THE COLOR PURPLE』
     Renée Elise Goldsberry 『HAMILTON』
     Jane Krakowski 『SHE LOVES ME』
     Jennifer Simard 『DISASTER!』
     Adrienne Warren 『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
  • 助演男優賞
     Daveed Diggs 『HAMILTON』
     Brandon Victor Dixon 『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
     Christopher Fitzgerald 『WAITRESS』
     Jonathan Groff 『HAMILTON』
     Christopher Jackson 『HAMILTON』
  • 楽曲賞
     Steve Martin and Edie Brickell(Music), Edie Brickell(Lyrics) 『BRIGHT STAR』
     Lin-Manuel Miranda(Music and Lyrics) 『HAMILTON』
     Andrew Lloyd Webber(Music), Glenn Slater(Lyrics) 『SCHOOL OF ROCK The Musical』
     Sara Bareilles(Music and Lyrics) 『WAITRESS』
  • 脚本賞
     Steve Martin 『BRIGHT STAR』
     Lin-Manuel Miranda 『HAMILTON』
     Julian Fellowes 『SCHOOL OF ROCK The Musical』
     George C. Wolfe 『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
  • 演出賞
     Michael Arden 『SPRING AWAKENING』
     John Doyle 『THE COLOR PURPLE』
     Scott Ellis 『SHE LOVES ME』
     Thomas Kail 『HAMILTON』
     George C. Wolfe 『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
  • 振付賞
     Andy Blankenbuehler 『HAMILTON』
     Savion Glover 『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
     Hofesh Shechter 『FIDDLER ON THE ROOF』
     Randy Skinner 『DAMES AT SEA』
     Sergio Trujillo 『ON YOUR FEET!』
  • 編曲賞
     August Eriksmoen 『BRIGHT STAR』
     Larry Hochman 『SHE LOVES ME』
     Alex Lacamoire 『HAMILTON』
     Daryl Waters 『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
  • 装置デザイン賞
     Es Devlin & Finn Ross 『AMERICAN PSYCHO』
     David Korins 『HAMILTON』
     Santo Loquasto 『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
     David Rockwell 『SHE LOVES ME』
  • 衣装デザイン賞
     Gregg Barnes 『TUCK EVERLASTING』
     Jeff Mahshie 『SHE LOVES ME』
     Ann Roth 『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
     Paul Tazewell 『HAMILTON』
  • 照明デザイン賞
     Howell Binkley 『HAMILTON』
     More InfoJules Fisher & Peggy Eisenhauer 『SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』
     Ben Stanton 『SPRING AWAKENING』
     Justin Townsend 『AMERICAN PSYCHO』

 今年のトニー賞予想は、言ってみれば、ディープインパクトの年のダービー状態。勝つ馬はわかっているので、ヒモをどうするか。早い話、予想するのは、『ハミルトン HAMILTON』が獲らないのはどの部門か、ってことになる。
 なので、候補になった部門全て(6/15/2016追記:主演女優賞を除く)で『ハミルトン』が受賞する予想にしたことを、まずお断りしておきます(笑)。
 そのことを除いて全体を見渡すと、『シャッフル・アロング SHUFFLE ALONG, OR, THE MAKING OF THE MUSICAL SENSATION OF 1921 AND ALL THAT FOLLOWED』『シー・ラヴズ・ミー SHE LOVES ME』が目立つ。
 『シャッフル・アロング』は、『ノイズ/ファンク BRING IN 'DA NOISE, BRING IN 'DA FUNK』のジョージ・C・ウルフとサヴィオン(セイヴィオン)・グローバーが久々に組んだことで盛り上がっているのだろう。実際、刺激的な作品だ。一方の『シー・ラヴズ・ミー』は、今回と同じラウンダバウト劇場製作の93年版と変わらない気がして(演出家も同じ)、よく出来ているが、それほど持ち上げなくても、という気がしている。
 が、まあいい。それらに次いで『ブライト・スター BRIGHT STAR』『ウェイトレス WAITRESS』が複数部門で候補になったから。『カラー・パープル THE COLOR PURPLE』も予想通りの健闘だし、『春のめざめ SPRING AWAKENING』も限定公演だったことを考えれば、高評価だろう。しかしながら、『スクール・オブ・ロック SCHOOL OF ROCK The Musical』は……、ま、いっか(笑)。

 作品賞は、100%『ハミルトン』
 もし『ハミルトン』がいなければ、アメリカーナ(『ブライト・スター』)とジャズ・ソング(『シャッフル・アロング』)の対決になったかもしれない。次いで『ウェイトレス』。この3本は観逃せない。
 『スクール・オブ・ロック』ねえ……(笑)。

 リヴァイヴァル作品賞は、『カラー・パープル』『春のめざめ』の対決にしたいのだが(でもって、続演中の前者が獲ると思いたいのだが)、なんだが『シー・ラヴズ・ミー』の動きが不気味。
 『屋根の上のバイオリン弾き FIDDLER ON THE ROOF』は、悪くはないが、根本的なところで、この作品の存在意義に疑問がある。

 さて、主演女優賞。ここだけが、『ハミルトン』が候補になりながら獲らないかもしれない部門。
 11月に『カラー・パープル』を観てシンシア・エリーヴォで決まりだと思ったが、3月に『ブライト・スター』を観て、俄然カーメン・キューザック株が上がった。奇しくも2人とも先にウェスト・エンドに出演していて、これがブロードウェイ・デビュー(キューザックはアメリカ人だが)。ぜひ、この2人の対決であってほしい……が、第3の候補は、やはりフィリッパ・スー(『ハミルトン』)だろう。あの作品の中で、一番難しい役かも。
 まず獲らないが、ジェシー・ミューラー(『ウェイトレス』)なら贔屓として許す(笑)。ローラ・ベナンディももちろん悪くないが、前述のように『シー・ラヴズ・ミー』の評価が個人的に高くないので、今回は獲らないでね(笑)。

 主演男優賞は、リン=マニュエル・ミランダ(『ハミルトン』)1本で。
 この人なしには『ハミルトン』はありえない、ということを考えれば、間違いなく獲る。

 助演女優賞『ハミルトン』のレネ・エリーズ・ゴールズベリーが獲るだろう。作品中の存在感は主演級。
 対抗を挙げるとすれば、『カラー・パープル』のダニエル・ブルックス。

 助演男優賞『ハミルトン』から。
 第1候補が、おとぼけキング・ジョージ役のジョナサン・グロフ。次いで、やさぐれトーマス・ジェファーソン役のデイヴィード・ディグズ。ワシントン役のクリストファ・ジャクソンは第3候補。出てくるだけで劇場が湧くグロフに行くと思う。

 以下、『ハミルトン』以外のことについてだけ書きます。

 楽曲賞
 対抗が『ブライト・スター』『ウェイトレス』。どちらも、今年でなければ獲って不思議ない出来。
 『スクール・オブ・ロック』ねえ……(笑)。

 脚本賞
 対抗が『ブライト・スター』『シャッフル・アロング』。対照的な作風だが、どちらも最後までハラハラする。
 『スクール・オブ・ロック』ねえ……(笑)。

 演出賞
 対抗は『シー・ラヴズ・ミー』以外の3本だが、初演の印象を、いい意味で覆した『春のめざめ』に1票。ほぼ同評価で『カラー・パープル』『シャッフル・アロング』は、ジョージ・C・ウルフのいつもながらの力技に拍手。

 振付賞
 底力を見せたサヴィオン(セイヴィオン)・グローバー(『シャッフル・アロング』)に1票。後半に長いダンス場面のある『時をさまようタック TUCK EVERLASTING』のケイシー・ニコロウ Casey Nicholaw は候補にならなくて残念だろうな。

 編曲賞
 ホントはこの辺で『ブライト・スター』に獲らせてあげたいのだが。『シャッフル・アロング』も力作。

 装置デザイン賞
 装置に驚かされっぱなしの『アメリカン・サイコ AMERICAN PSYCHO』に、ここで1票入れてあげよう。

 衣装デザイン賞
 せっかく候補になったので、『時をさまようタック』に1票。

 照明デザイン賞
 照明に驚かされっぱなしの『アメリカン・サイコ』に1票(笑)。

 トニー賞の発表は現地時間の6月12日(日)夜の予定です。

(5/4/2015)


 トニー賞の結果はこちら


Copyright ©2016 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro

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