11-12年トニー賞発表と感想

 トニー賞が発表になりました。予想の当否と言い訳をお楽しみください(予想の詳しい根拠はこちらです)。
 過去 14シーズンの予想結果はこちら→97-98年98-99年99-00年00-01年01-02年02-03年03-04年04-05年05-06年06-07年07-08年08-09年09-10年10-11年

 毎度の前置きですが、トニー賞は興行成績に直接影響が出るのでプロダクション側にとっては重要だけれども、選考には政治的判断による偏りもあるので、観客である我々にとっては“話のタネ”に過ぎません。必ずしも作品選びの基準にはならないことも、心に留めておいてください。
 それぞれの作品のざっくりした感想はニューヨーク観劇リスト(今回の該当箇所は、ここここここここここ)に書いてありますので読んでみてください(直近の分が未アップですが)。
 ※(7/3/2012追記)直近の分もこちらにアップしました。

 受賞作品・受賞者は赤字が受賞予想、が僕の投票です。

 作品別受賞数は次の通り。左の数字がノミネーション数、右が受賞数(▲はリヴァイヴァル)。
 [P]の付いた 2作はプレイですが、楽曲賞候補に入ったので挙げてあります。これらの作品のノミネーション数 (1) は、その楽曲賞候補のみを採り上げたもので、実際にはプレイの範疇で多数候補になり、カッコ内の賞を受賞しました。

 このシーズンに登場してノミネーションに名前の挙がらなかった作品は、『ゴッドスペル GODSPELL』▲のみ。
 『虹の終わりに END OF THE RAINBOW』は(当然のことながら)プレイとして扱われました。


  • 作品賞
     『LEAP OF FAITH』
     『NEWSIES』
     『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』
     『ONCE』
  • リヴァイヴァル作品賞
     『EVITA』
     『FOLLIES』
     『PORGY AND BESS』
     『JESUS CHRIST SUPERSTAR』
  • 主演女優賞
     Jan Maxwell 『FOLLIES』
     Audra McDonald 『PORGY AND BESS』
     Cristin Milioti 『ONCE』
     Kelli O’Hara 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』
     Laura Osnes 『BONNIE & CLYDE』
  • 主演男優賞
     Danny Burstein 『FOLLIES』
     Jeremy Jordan 『NEWSIES』
     Steve Kazee 『ONCE』
     Norm Lewis 『PORGY AND BESS』
     Ron Raines 『FOLLIES』
  • 助演女優賞
     Elizabeth A. Davis 『ONCE』
     Jayne Houdyshell 『FOLLIES』
     Judy Kaye 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』
     Jessie Mueller 『ON A CLEAR DAY YOU CAN SEE FOREVER』
     Da'Vine Joy Randolph 『GHOST:The Musical』
  • 助演男優賞
     Phillip Boykin 『PORGY AND BESS』
     Michael Cerveris 『EVITA』
     David Alan Grier 『PORGY AND BESS』
     Michael McGrath 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』
     Josh Young 『JESUS CHRIST SUPERSTAR』
  • 演出賞
     Jeff Calhoun 『NEWSIES』
     Kathleen Marshall 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』
     Diane Paulus 『PORGY AND BESS』
     John Tiffany 『ONCE』
  • 振付賞
     Rob Ashford 『EVITA』
     Christopher Gattelli 『NEWSIES』
     Steven Hoggett 『ONCE』
     Kathleen Marshall 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』
  • 楽曲賞
     Frank Wildhorn(Music), Don Black(Lyrics) 『BONNIE & CLYDE』
     Alan Menken(Music), Jack Feldman(Lyrics) 『NEWSIES』
     Grant Olding(Music & Lyrics) 『ONE MAN, TWO GUVNORS』
     Wayne Barker(Music), Rick Elice(Lyrics) 『PETER AND THE STARCATCHER』
  • 脚本賞
     Douglas Carter Beane 『LYSISTRATA JONES』
     Harvey Fierstein 『NEWSIES』
     Joe DiPietro 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』
     Enda Walsh 『ONCE』
  • 編曲賞
     William David Brohn and Christopher Jahnke 『PORGY AND BESS』
     Bill Elliott 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』
     Martin Lowe 『ONCE』
     Danny Troob, Newsies 『NEWSIES』
  • 装置デザイン賞
     Bob Crowley 『ONCE』
     Rob Howell and Jon Driscoll 『GHOST:The Musical』
     Tobin Ost and Sven Ortel 『NEWSIES』
     George Tsypin 『SPIDER-MAN TURN OFF THE DARK』
  • 衣装デザイン賞
     Gregg Barnes 『FOLLIES』
     ESosa 『PORGY AND BESS』
     Eiko Ishioka 『SPIDER-MAN TURN OFF THE DARK』
     Martin Pakledinaz 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』
  • 照明デザイン賞
     Christopher Akerlind 『PORGY AND BESS』
     Natasha Katz 『FOLLIES』
     Natasha Katz 『ONCE』
     Hugh Vanstone 『GHOST:The Musical』
  • 音響デザイン賞
     Acme Sound Partners 『PORGY AND BESS』
     Clive Goodwin 『ONCE』
     Kai Harada 『FOLLIES』
     Brian Ronan 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』

 受賞予想で 11、僕の投票で 5の的中。内ダブり 3(いずれも『ONCE』)で、今年も昨年同様 13勝 2敗。
 ハズしたのは、助演女優賞楽曲賞で、この内、助演女優賞については、予想でも書いている通り、受賞したジュディ・ケイで全く文句ない。と言うか、『ナイス・ワーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イット』は、彼女と助演男優賞を獲ったマイケル・マッグラスがいなかったら舞台が成り立たなかっただろう。
 問題は楽曲賞だ。
 候補になったプレイ 2作の楽曲がいい出来だったことは予想に追記した通りだが、それはそれとして、作品賞も獲り、他部門でも高い評価を得た『ワンス』が、なぜ候補にならなかったのか。映画を元にしており、その映画で使われていた楽曲を使っていたからか。そういうことなら、受賞した『ニュージーズ』も元は映画であり、なおかつ、こちらは映画自体がミュージカルで、そこで使った楽曲を舞台でも使っている。舞台用に数曲新たに書き下ろされているのも両作同じだ。結果としてプレイ 2作の内どちらかが受賞していれば、それはそれでなんとか納得がいく。しかし、『ニュージーズ』が受賞してみると、プレイ 2作を候補に入れたのは、『ニュージーズ』に受賞させるために『ワンス』を候補にしないという作為だったのではないか、という疑問が湧く。
 と、まあ、賞レースでこの手の疑問を並べていくときりがないのだが、候補作の挙げられ方が普通でなく、かつ、受賞作『ニュージーズ』の楽曲がさほど優れたものではなかったので、今回は強く思ったしだい(もしかしたら、『ワンス』が楽曲賞候補の対象にならない理由が、どこかの時点で説明されていたかもしれないが、されていたなら知りたい)。
 しかし、当然だが、『ワンス』の年になった。おめでとう。クリスティン・ミリオティは残念でしたが、オードラ・マクドナルドはトニー賞を獲るために生まれてきたような人だから(笑)。

 決まり文句ですが、受賞しなかった作品はクローズの可能性が高くなりますので、お早めにどうぞ。つっても、今年は、すでに終わってる作品が多いですがね(苦笑)。

 というわけで、また来年。
 今年はトニー賞授賞式の同時中継はなかったようで、日本での放送は NHK BSプレミアムとやらで 6月24日(日)0時〜の予定らしいです。

(6/12/2012)
(last revised 7/3/2012)

Copyright ©2012 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro

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