06-07年トニー賞発表と感想

 トニー賞が発表になりました。予想の当否と言い訳をお楽しみください(予想の詳しい根拠はこちら)。なお、 04-05年のシーズンから、装置、衣装、照明の各賞は、プレイとミュージカルで別々になっています。
 過去 9シーズンの予想結果はこちら→97-98年98-99年99-00年00-01年01-02年02-03年03-04年04-05年05-06年

 毎度の前置きですが、トニー賞は興行成績に直接影響が出るのでプロダクション側にとっては重要だけれども、選考には政治的判断による偏りもあるので、観客である我々にとっては“話のタネ”に過ぎません。必ずしも作品選びの基準にはならないことも、心に留めておいてください。
 むしろ、このサイトにおいては、予想と受賞とを見比べながら、それぞれの作品の観劇記を読んでいただくのが、正しい楽しみ方となっておりますが、観劇記はなかなかアップされません(笑)。ですので、アップされるまでの間は、ここここここで、簡単な印象批評を読んどいてください。

 受賞作品・受賞者は赤字が受賞予想、が僕の投票です。

 作品別受賞数は次の通り。左の数字がノミネーション数、右が受賞数(▲はリヴァイヴァル)。

 なお、ノミネーションされなかったのは、『THE PIRATE QUEEN』と、未見で終わった『THE TIMES-THEY ARE CHANGIN'』、の 2本。


  • 作品賞
     『CURTAINS』
     『GREY GARDENS』
     『MARY POPPINS』
     『SPRING AWAKENING』
  • リヴァイヴァル作品賞
     『THE APPLE TREE』
     『A CHORUS LINE』
     『COMPANY』
     『110 IN THE SHADE』
  • 主演女優賞
     Laura Bell Bundy 『LEGALLY BLONDE』
     Christine Ebersole 『GREY GARDENS』
     Audra McDonald 『110 IN THE SHADE』
     Debra Monk 『CURTAINS』
     Donna Murphy 『LOVEMUSIK』
  • 主演男優賞
     Michael Cerveris 『LOVEMUSIK』
     Raul Esparza 『COMPANY』
     Jonathan Groff 『SPRING AWAKENING』
     Gavin Lee 『MARY POPPINS』
     David Hyde Pierce 『CURTAINS』
  • 助演女優賞
     Charlotte d'Amboise 『A CHORUS LINE』
     Rebecca Luker 『MARY POPPINS』
     Orfeh 『LEGALLY BLONDE』
     Mary Louise Wilson 『GREY GARDENS』
     Karen Ziemba 『CURTAINS』
  • 助演男優賞
     Brooks Ashmanskas 『Martin Short/FAME BECOMES ME』
     Christian Borle 『LEGALLY BLONDE』
     John Cullum 『110 IN THE SHADE』
     John Gallagher, Jr. 『SPRING AWAKENING』
     David Pittu 『LOVEMUSIK』
  • 演出賞
     John Doyle 『COMPANY』
     Scott Ellis 『CURTAINS』
     Michael Greif 『GREY GARDENS』
     Michael Mayer 『SPRING AWAKENING』
  • 振付賞
     Rob Ashford 『CURTAINS』
     Matthew Bourne and Stephen Mear 『MARY POPPINS』
     Bill T. Jones 『SPRING AWAKENING』
     Jerry Mitchell 『LEGALLY BLONDE』
  • 楽曲賞
     John Kander(Music), Fred Ebb, John Kander & Rupert Holmes(Lyrics) 『CURTAINS』
     Scott Frankel(Music), Michael Korie(Lyrics) 『GREY GARDENS』
     Laurence O'Keefe and Nell Benjamin 『LEGALLY BLONDE』
     Duncan Sheik(Music), Steven Sater(Lyrics) 『SPRING AWAKENING』
  • 脚本賞
     Rupert Holmes & Peter Stone 『CURTAINS』
     Doug Wright 『GREY GARDENS』
     Heather Hach 『LEGALLY BLONDE』
     Steven Sater 『SPRING AWAKENING』
  • 編曲賞
     Bruce Coughlin 『GREY GARDENS』
     Duncan Sheik 『SPRING AWAKENING』
     Jonathan Tunick 『LOVEMUSIK』
     Jonathan Tunick 『110 IN THE SHADE』
  • 装置デザイン賞
     Bob Crowley 『MARY POPPINS』
     Christine Jones 『SPRING AWAKENING』
     Anna Louizos 『HIGH FIDELITY』
     Allen Moyer 『GREY GARDENS』
  • 衣装デザイン賞
     Gregg Barnes 『LEGALLY BLONDE』
     Bob Crowley 『MARY POPPINS』
     Susan Hilferty 『SPRING AWAKENING』
     William Ivey Long 『GREY GARDENS』
  • 照明デザイン賞
     Kevin Adams 『SPRING AWAKENING』
     Christopher Akerlind 『110 IN THE SHADE』
     Howard Harrison 『MARY POPPINS』
     Peter Kaczorowski 『GREY GARDENS』

 受賞予想で 10、僕の投票で 3、内ダブり 2で、 11勝 3敗。
 予想がむずかしい、とか言った割には、かなり予想通りでした。

 案の定、『春のめざめ SPRING AWAKENING』のひとり勝ち。負け惜しみを承知で言えば、こうなるのが嫌で演出賞とか脚本賞とか振付賞の予想からはあえて外したんですが、無駄な抵抗でした(笑)。決め手に欠ける業界全体が『レント RENT』の再来を望む気分なんでしょう。そういう年には、『カーテンズ CURTAINS』なんてのは出る幕(シャレ?)はなくて当然か。
 しかし、古典演劇を現代感覚のミュージカルとして蘇生させる、という構造は『レント』と全く同じなのだが、僕は、『春のめざめ』からは、さほど“今”を感じなかった。と言うか、逆に、なぜ“今”、とさえ思った。単に、オヤジになりすぎて若者の気持ちがわからなくなってるんでしょうか(笑)。ま、詳細は、いずれ書くであろう(笑)観劇記で。
 ちなみに、これで、『ウェディング・シンガー THE WEDDING SINGER』『ハイ・フィデリティ HIGH FIDELITY』『キューティ・ブロンド LEGALLY BLONDE』と続く、現代が舞台の映画→舞台ミュージカル路線はトニーで全敗。『キューティ・ブロンド』も終わっちゃうんだろうなあ。『ヘアスプレイ HAIRSPRAY』以外に、この手の作品が 1つでも残ってロングランになるとブロードウェイの空気も少し変わる気がするんですが……。
 役者で獲った『グレイ・ガーデンズ GREY GARDENS』『カーテンズ』が、どこまで生き残るかも気になります。

 というわけで、また来年。
 ちなみに、トニー賞授賞式の日本での TV放送は、 NHK BS2で 6月16日(土)午後8:00〜10:30の予定です。

(6/11/2007)

Copyright ©2007 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro

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