ミュージカル・コメディ映画上映中

 なんか、あんまり話題になっているのを見ないので書きます。
 タイトルに“A Musical Comedy”とはっきり書いてある新作映画、『恋の骨折り損 LOVE'S LABOUR'S LOST』。ただ今公開中。東京はシネスイッチ銀座、横浜は関内アカデミー。

 この映画のことを教えてくれた友人・矢崎の表現を借りれば、“ブラナー流『世界中がアイ・ラヴ・ユー』”。
 ブラナーってのは、イギリスの演出家兼俳優、ケネス・ブラナー Kenneth Branagh。『世界中がアイ・ラヴ・ユー EVERYONE SAYS I LOVE YOU』は、こちらに書いたこともあるが、みなさんごぞんじのウディ・アレン Woody Allen 映画。
 矢崎の言わんとするところを僕なりに解釈して言うと、(ケネス・ブラナーお得意の)シェイクスピア世界で(『世界中がアイ・ラヴ・ユー』式に)ミュージカル経験のない役者たちが歌ったり踊ったりするハッピーな恋愛映画、ということか。っていうか、まあ、そういう映画(笑)。

 で、 [MY FAVORITES] に入れないことからもわかるように、僕は必ずしもその仕上がりに満足していないのだが、でも、ミュージカル好きなら観る価値あり。なぜなら、ネイサン・レイン Nathan Lane が歌って踊るから。
 91- 92年シーズンにブロードウェイでヒットしたリヴァイヴァル版『ガイズ・アンド・ドールズ GUYS AND DOLLS』の主役の 1人ネイサン・デトロイト役でトニー賞主演男優賞を『ジェリーズ・ラスト・ジャム JELLY'S LAST JAM』のグレゴリー・ハインズ Gregory Hines や『クレイジー・フォー・ユー CRAZY FOR YOU』のハリー・グローナー Harry Groener と争い(ハインズ受賞)、 95- 96年シーズンのリヴァイヴァル版『ローマで起こった奇妙な出来事 A FUNNY THING HAPPENED ON THE WAY TO THE FORUM』で同賞を得たネイサン・レインは、今ブロードウェイで客を呼べる数少ないミュージカル(もこなせるコメディ)男優の 1人。
 『マウスハント MOUSE HUNT』はもとより、『バードケージ THE BIRDCAGE』でもかなり偏ってしか伝わらなかった、そんなレインのミュージカル役者としての魅力を、この映画では、けっこうまともな形で観ることが出来るのだ。と言っても、フィーチャーのされ方がちょっと物足りないんだけど。「There's No Business Like Showbusiness」のシーン、もっともっとレインで押してくれたらなあ、と思う。
 もっとも、 60年生まれのブラナーは僕より 5歳も若く、ってことは、 MGMミュージカルは完全に後追いで観てる世代で、しかもイギリス人。ウディ・アレンとはミュージカルに対する感覚が違って当然なわけだ。だから、まあ、そのへんは大目に見つつ、近頃では珍しい“A Musical Comedy”を、この週末あたり、楽しんではどうだろう。
 そうそう、出演者の 1人、エイドリアン・レスター Adrien Lester はウェストエンドのミュージカルに出ている人らしく、例外的にけっこう踊れます。

(12/22/2000)

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