Hong Kong Rhapsody
Once More

『香港ラプソディー』再演委員会 Vol.10

過去の『香港ラプソディー』再演委員会報告はVol.1Vol.2Vol.3Vol.4Vol.5Vol.6Vol.7Vol.8Vol.9でご覧ください。

 DL プロジェクト DL Project 名義による『トランジット・ラウンジ TRANSIT LOUNGE』から約 1年半振りにディック・リー Dick Lee がニュー・アルバムをリリースした。
 『エヴリシング。 EVERYTHING.』(ソニー・ミュージックエンタテインメント)。
 前作が“歌”よりも“サウンド”で聴かせるものだったのに比べると、今回は全面的に“歌”の作品集。リーがこれまでに他の歌手や映画やミュージカルのために書いてきた楽曲のセルフ・カヴァーと、前作の未発表曲及び既発表曲の再レコーディングを集めたもので、そう聞くと寄せ集めのような印象を受けるが、さにあらず。統一感のある美しいラヴ・ソング・アルバムに仕上がっている。
 一瞬、「China Rain」は入っていないかと期待したが、残念ながら『香港ラプソディー』の楽曲は未収録。とは言え、シンプルな(だがアイディアのある)演奏をバックに、魅力的なメロディの際立つ“歌”ばかり。ぜひ、ご一聴を。

 ところで、この間のニューヨーク往復の機内で、文庫化された佐々木譲の『総督とよばれた男』(集英社)を読んだのだが、これが、戦前から戦争直後までのシンガポールとその一帯を舞台にした冒険小説と言うか悪漢小説(ピカレスク・ロマン)で、波瀾万丈。これ、ミュージカルにしたら面白い、と思った。
 主人公はマレー半島生まれシンガポール育ちの日本人なのだが、それが逆に近代日本の姿を浮き彫りにする要素にもなっていて、日本軍が進出してくるあたりは逆立ちした『太平洋序曲』と言えなくもないし、主人公が洗練されたショウを見せるクラブのオーナーになるというおいしい設定もあるし、なにより、エピローグに、ディック・リーの名前が出てくる!(読んでのお楽しみ)
 『香港ラプソディー』再演の次に、ディック・リー×宮本亜門・コンビで、ひとついかがでしょう。

(11/27/2000)

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